『風立ちぬ』(1976年 日本)
堀辰雄の名作小説を三浦友和×山口百恵で描く
今朝の1日1映画は『風立ちぬ』(1976年 日本)を鑑賞。
昭和17年、軽井沢。
病気の療養中である少女、節子(山口百恵)の家にたくさんの友人たちが集まるが、その中のひとり、達郎(三浦友和)は節子にひそかに好意を寄せていた。
節子にお見合いの話があると知り、不安になる達郎だったが、友人たちが案じてお見合いは破談となる。
そのころ、戦局は悪化し、達郎の友人が外地に向かう一方、節子にまた縁談の話が持ち上がる。
いよいよ意を決した達郎は節子に結婚を申し込もうとするが、達郎の友人の戦死を聞き…。
三浦友和×山口百恵というゴールデンコンビが共演した純愛映画の第5作。
堀辰雄の同名小説を再映画化。
軽井沢を舞台に薄幸の少女と彼女を最後まで見守る青年の愛を描いた作品です。
原作未読です。
なるほどー。
若い恋する二人が戦争によって引き裂かれてしまうという物語は、個人的に号泣したフランス映画『シェルブールの雨傘』(1964)と似ているんですが、こちらはそこまでの共感や感情が湧き上がらない。
やっぱりギャップの描き方かなぁなんて思います。
設定としては、結核という当時の不治の病の少女と徴兵が迫る誠実な青年の物語で、2人とも生きたいのに生きられないかもしれない運命という皮肉はあるんですが、割とどちらも裕福な家庭の育ちなので、格差恋愛ではないし、2人で駆け落ちしてハングリーに生きていく力がある感じではない。
感情とセリフがイコールで、顔で笑って心で泣いてのような感情のギャップは描かれていないので、悲しい運命の2人を見届けるような展開となっています。
2人が喧嘩したり、嘘が災いしたりなど、もっと葛藤を生み出すような感情的に生き生きとした場面や感情に寄り添った音楽があると感動が深いのかも。
その代わり節子の父親・水沢欣吾役の芦田伸介さんがいい演技を見せてくれていて。
また、結城達郎の先輩、大浦茂春役の松平健さんが元気印みたいな役どころなのに徴兵されて…という、最大のギャップを生み出しています。
当時の人気スターということで、1976年(昭和51年)の邦画配給収入ランキングの第6位となった作品なので、いい作品なのは間違いない。
美しい主役に、演技がきらりと光る脇役。
そういう意味ではバランスの取れた映画ですね。
PS:『風立ちぬ』(ジブリ)や『君の名は。』(新海誠監督)など、最近のアニメには昔の映画やドラマのタイトルと同じだけど内容は全く違うというのがありますね。広い年齢層をターゲットにしているのかな。
↓予告編
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