『賭はなされた』(1947年 フランス)
画像:リンクより
ジャン=ポール・サルトルがシナリオを描いた
幻想エンターテインメントドラマ
今朝の1日1映画は『賭はなされた』(1947年 フランス)を鑑賞。
革命運動で死んだ青年ピエール(マルセル・パリエロ)と、財産乗っ取りの陰謀にかかって殺された女性(ミシュリーヌ・プレール)が、死後の世界の入口で出会った。
二人はお互いに愛情を感じ、24時間だけ死の猶予を貰って生き返る。
時間内にお互いが結ばれれば、そのまま寿命まで生き延びられるというのだが……。
ジャン=ポール・サルトルがシナリオ、ジャン・ドラノワが監督した幻想ドラマです。
これは面白いですね~。
いろんな要素が盛り込んである。
まず、サスペンスから始まって、死後の世界で男女が出会うファンタジー、判事みたいな猫おばさんから24時間以内に愛し合えば生き返らせるよ、というミッションの展開。
(猫が机の上の書類に乗ってきて書類が見えない…という“猫あるある”も展開 笑)
格差恋愛、三角関係、労働者による革命、ガンアクション、etc…。
戦後すぐのこの時代にこれだけのものが盛られてエンターテインメント作品が作られていることがすごいですよね(フランスは戦勝国だからかな)。
でも原作が哲学者のサルトルだけに一筋縄でいかない。
この映画のベースにはサルトルの提唱した「決定論」(すべての出来事が以前に存在した原因によって完全に決定されるという哲学的見解)が。
簡単に言えば、「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ」ということがテーマになっていて、非常に興味深いです。
日本映画だと、あの世で願いをかなえるファンタジー作品やあの世で一緒になりましょうという心中ものがありますが、その先を見た感じかな。
ジャン・ドラノワ監督は脚本の潤色もしていて、哲学的なシナリオをエンターテインメント作品に昇華させるジャン・ドラノワ監督ってすごい監督だなと感心させられます。
ジャン・ドラノワ監督作品はこちらも見ました↓
いつもご覧いただきありがとうございます♪
にほんブログ村参加中(クリックしていただけるとうれしいです)