『夕映え少女』(2007年 日本)
画像:リンクより
文豪・川端康成の短編集が原作。
濱口竜介監督が学生時代に助監督を務めた作品。
今朝の1日1映画は『夕映え少女』(2007年 日本)を鑑賞。
大学の実験室でアルコール爆発事故が起こり、恋人の博士を目の前で亡くした女助手は1人で生きていくことを決意する(「イタリアの歌」)。
咲子は自分の許婚である武を静子に譲ろうとするが、嫉妬心にさいなまれてしまう(「むすめごころ」)など。
文豪・川端康成の短篇集より選りすぐった「イタリアの歌」「むすめごころ」「浅草の姉妹」「夕映え少女」を、北野武や黒沢清らが講師を務める東京藝術大学大学院映像研究科の生徒によって映画化。
2008年2月にユーロスペースにて劇場公開された短篇オムニバスです。
各作品のスタッフ&キャストは次のとおり。
〈スタッフ〉
「イタリアの歌」監督:山田咲/脚本:小林美香
「むすめごころ」監督:瀬田なつき/脚本:菅野あゆみ
「浅草の姉妹」監督:吉田雄一郎/脚本:菅野あゆみ、山田卓
「夕映え少女」監督:船曳真珠/脚本:多和田紘希
エグゼクティブ・プロデューサー:柴田一成/プロデューサー:塩原史子/藤井智
〈キャスト〉
「イタリアの歌」吉高由里子/高橋和也
「むすめごころ」山田麻衣子/高橋真唯/柏原収史
「浅草の姉妹」波瑠/韓英恵/三村恭代
「夕映え少女」田口トモロヲ/宝積有香/五十嵐令子/円城寺あや/いしのようこ
1本の長さは20分程度。
うーん、全体的には物足りなさが…。
やはり映画は長いほど詳細に多くのことが描けるので、理解もしやすい面があるのですが、短編となると、そこをぎゅっと詰め込まなければならないので作る側も見る側も意外に難しかったりします。
この昭和初期という現代とは違う価値観を持った時代背景を、この短さで描くには足りない気がして。
110~120分の映画では人物紹介や時代背景の設定で10分ぐらい使うところを、20分の短編だと2~3分でやらないといけない。
物理的にとても高度だということが分かります。
そんな中でもそのハードルを越えて、キラリと光る演出をしていたのは2話目の「むすめごころ」。
三角関係の恋愛をテーマにしているところが今の時代にも普遍的で説明要らずということと、動作の結果を先に見せて、その原因をあとでつなげていたり、鏡や花の苗などの小道具を上手く利用して伏線をつくったりしていてハッとする瞬間があり、飽きずにみることができました。
ロケ地は林や草原や古民家で、とても美しいです。
4話目の「夕映え少女」も心情などの描き方が難解ではありますが魅せますね。
というのもやはり田口トモロヲさんといしのようこさんの演技の上手さが突出していて、そこに引き込まれるんですよねぇ。
エンドロールを見ると、「むすめごころ」と「夕映え少女」の助監督をあの『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督がしている!
濱口監督の演出のエッセンスが生かされているのかもしれないですね。
↓予告編
川端康成原作の映画はこちらも見ました↓
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