カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『ロマンス』(1996年 日本)

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画像:リンクより

玉置浩二×ラサール石井×水島かおり
即興から作り上げた、
恋愛の距離感を味わう大人の青春映画。

今朝の1日1映画は『ロマンス』(1996年 日本)を鑑賞。

タイプも生き方も違う二人の男、不動産業者の柴田(玉置浩二)と市役所勤めの安西(ラサール石井)。

二人がひとりの奔放な女性・霧子(水島かおり)と出会った。

3人でいる時、彼らの心は何故か浮き立ち、10代の少年少女のように自由になっていく。

それぞれの思いや人生を抱きかかえながら、3人のガラス細工のような時間が過ぎていき……。

『誘惑者』『ナースコール』の長崎俊一が監督&脚本で描く大人の切ない恋の物語です。

昔、湯布院映画祭に隔年で観に行っていた時期がありまして、その時に「特別試写作品」として上映されていたのを見た記憶が。

長崎俊一監督、主演の水島かおりさん、ラサール石井さんがゲストで来場され、シンポジウムやパーティーでもお見かけしました。

なつかしさと、内容を忘れているので再鑑賞です。

「青春はいつ、どんなふうに終わっていくのか」。

長崎俊一監督のそんな思いから制作が始まったこの映画。

30代後半の2人の男性の間を風のようにひらりと交わしながら行き来する赤い服の1人の女性。

それだけで物語が展開する予感がしますよね。

俗に言う“不思議ちゃん”っていうのでしょうか、突拍子もない言動や行動、その場の空気を全部持っていく存在感。

男性の心の隙にスッと入る技を持っていて、いつの間にか目の前からいなくなっているにも関わらず、彼女のことが頭から離れなくなっている…。

そんな女性を水島かおりさんが演じていて、ああ、こういう女性いたなと記憶の中の知人を探してしまいます(←確実にモテますよね)。

男性2人の設定や関係性も面白く、2人は学生時代の同級生ですが、主人公は小説家を夢見る役所の開発課のさえない職員、友人は不動産デベロッパーをしている成功者という主従的な取引関係があり、当時のバブル社会を象徴していて。

そんな青春を消化しきれないまま大人になった3人が、数か月間を過ごす中で、はしゃぐように楽しみ、ぶつかり合い、それぞれの道を見つけるまでが描かれます。

見ていて、ちょっと聞き取れないくらいの早口でしゃべっている玉置さんや3人の会話を聞いて、これってアドリブ?と思ったら大正解。

シナリオは設定だけ。

セリフはその時々の状況に応じて自発的に発したものを作り上げてあります。

なので、雑談を交わしているかのような雰囲気や、気持ちの奥から言葉が発せられているかのようなリアリティーがある。

現場スタッフも15人という最少人数で撮影。

即興のセリフや動きを生かすためミーティングとリハーサルを何度も重ねて作り上げられました。

楽しそうな食事のシーンでは場面が飛ぶジャンプカットも。

青くて暗い夜空を見上げるシーンが印象的で、夜に起こる出来事が夢のように思える。
映りこんでいる現場の空気が伝わり、居合わせているかのような感覚があって、今見てもキュンと染みますね。

PS:塚本晋也監督や内藤剛志さんも出演。若くてなんだかかわいいです。
長崎監督は主演・霧子役の水島かおりさんと結婚。
10月14日公開の監督最新作『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』には水島かおりさんも出演&脚本を担当されています(脚本家としての別名:矢沢由美)。

 

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