カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『長崎の歌は忘れじ』(1952年 日本)広島国際映画祭2022

田坂具隆監督の被爆体験から構想された作品
ちらっと映画祭の様子も

今日の1日1映画は『長崎の歌は忘れじ』(1952年 日本)を鑑賞。

1945年8月。

新鋭のアメリカ人作曲家、ヘンリー・グレイ(アーリングトン・ロールマン)は、ハワイの日本人捕虜収容所で瀕死の日本兵から未完の楽譜を託され、その完成を約束する。

終戦後、日本兵の故郷である長崎に赴くヘンリーだったが、遺族の行方はようとして知れなかった。

そんなある日、ヘンリーが弾く例の未完曲を聴いたホテルマンの牧原桃子(久我美子)は、その曲が出征したまま帰らない義兄・佐伯道信の曲だと気づく。

桃子の姉、道信の妻である綾子(京マチ子)は長崎の原爆が原因で盲目となりながらも、今も夫の帰りを待ち続けていたが…。

米国青年に託された未完の楽譜から展開する田坂具隆監督による一大ロマン作品です。

11月18日から20日まで「広島国際映画祭2022」が開催していて、その映画祭の1作品を会場となっている映像文化ライブラリーで見ました(となりの中央図書館では12/25まで「新藤兼人展」を開催中)。

田坂具隆監督作品はこれまで『乳母車』(1956年)、『今日のいのち』(1957年)を見ていて、どちらも悪い人が出てこなくて、とても細かく丁寧につづられている印象。

この映画はそれらより以前のものですが、田坂監督のそういった作風がこの映画にもあって、緩急やドラマティカルな展開で進むのではなく、一人の人間の内面に向き合う真摯さやあたたかさがその画からにじみ出ている感じがあるんですよね。

この映画では、原爆の加害者と被害者がどう向き合って、心のバリアをなくしていくのかというのが丁寧に描かれています。

田坂具隆監督自身、1945年に召集され郷里広島で入隊していた時に被爆

4年も原爆症の闘病生活を強いられていました。

この作品はその闘病生活の間に構想した物語を映画化したもの。

この作品を発表後、また再発して3年間闘病生活をしていて、それ以来原爆について語ることはなかったそう。

どの作品もヒューマニズムあふれる温かい作風なのは、監督自身の被爆体験の影響からくるものなんでしょうね。

この作品、音楽や歌がモチーフになっているのですが、ヘンリー役の俳優アーリングトン・ロールマンさんが歌いだした瞬間、ものすごく歌が上手くてびっくり。

アーリングトン・ロールマンさんって現役オペラ歌手だったんですね!

また、京マチ子さんがお琴を弾くシーンがあるのですが、これがまた弾いているふりを超えた指裁きで、本当に弾いているんじゃないかと思うようなうまさ。

昔の俳優さんは芸達者ですね。

どちらかというと地味な作品ですが、公開されたのはまだ戦後12年で、原爆の傷跡が残る長崎の町並みからも、根底にある「反戦」「平和」というテーマがスクリーンからこれでもかとあふれてくる。

歴史として残していきたい作品ですね。

(クレジットにはないですが、若い時の若尾文子さんが出演しているようです。気づきませんでしたが…)

 

見終わって、映画祭のメイン会場であるNTTクレドホールへ行って見ることに。


エレベーターに上映作品のポスターが。

 

会場の11階に行くと、プログラムの真っ最中。
チケットはなかったので、入場可能なロビーを撮らせていただきました。

 


映画祭のキャラクター。名前は存じませんが。

 

もう終わり近くに行ったので、祝花が分けられていました…。

 

広島出身の宮川博至監督がオール広島ロケで撮った『とべない風船』のジャパンプレミア上映がありまして。
主演の東出昌大さんにお祝いの風船が届いています。

 

こちらもオール広島ロケ作品『こちらあみ子』のブース。
監督&キャストさんの舞台挨拶がありました。

 


そして、エキストラ参加させていただいたカンヌ&アカデミー等受賞の『ドライブ・マイ・カー』のサイン入りポスター。

 


広島フィルムコミッションさん設立20年ポスター展から。
この映画もの広島フィルムコミッションさんただならぬ尽力があってこそ。

 

片渕須直監督のティーチインも。
こちらは『この世界の片隅に』の黒板アートの画像。

サイン入りポスターです。

 


片渕監督のサイン。

 


こちらはのんさん。
色あせないいい映画ですよね。

 

もうひとつののんさんのサイン。

 

広島フィルムコミッションさんが関わった映画がずらり。

最初の『孤狼の血』の時は、この映画祭で本通り商店街でレッドカーペットがあって、松坂桃李さんなどが歩いていました。

 

この世界の片隅に』の黒板アートの画像です。

 

3日間のプログラム。映画祭の会場は3~4会場あります。

 

目玉は『余命10年』の坂口健太郎さん、小松菜奈さん、藤井道人監督の舞台挨拶。
ニュース記事はこちら

www.chugoku-np.co.jp
チケットは即完売。知人が行ったので感想を聞いてみたいと思います。

 

昨日『いちばん逢いたいひと』の上映と丈監督、 倉野尾成美さん(AKB48)、中村玉緒さんの舞台挨拶も。
今年になって昔の大映映画を見てハマり、看板女優・中村玉緒さんを一目見に行きたかったんですけど、予定があって行けず…。
いつか生の珠緒さんに会いに行けたらなぁ。

www.ichi-ai.com

『飛べない風船』、拝見しましたが、あたたかい良い作品です。
来年1/6から全国で順次公開ですので、ぜひ。

tobenaifusen.com

田坂具隆監督作品はこれらも見ました↓

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