『獲物の分け前』(1966年 フランス)
画像:リンクより
20代のジェーン・フォンダがまぶしい
アート&オリエンタルなフランス映画
今朝の1日1映画は『獲物の分け前』(1966年 フランス)を鑑賞。。
莫大な遺産を相続しながら、家庭に縛られたくない若く美しいルネ(ジェーン・フォンダ)は、20歳以上も年上の初老の事業家アレクサンドル(ミシェル・ピッコリ)と結婚する。
愛のない二人はパリ郊外の豪邸で暮らし始めるが、そこにはアレクサンドルの先妻の息子マクシム(ピーター・マッケナリー)がいた。
次第にマクシムに夢中になり、夫の目を盗んではマクシムと体を重ね合うルネ。
ついにはすべてを放棄してマクシムと駆け落ちしようとまで思いつめるのだが…。
ハリウッドを代表する大女優ジェーン・フォンダが、女優として大成する前の20歳代に、フランスに渡って出演した官能系ドラマです。
印象としては奇抜ですねぇ。
現代アートのような絵やオブジェで彩られた部屋。
中国人の友人に中国語を学ぶ息子。
彼は和服(留袖)をガウン代わりにまとっている。
銃をもてあそび、突拍子もない行動に出る若妻。
罪悪感がそこまでない息子と若妻の恋…。
多分、原作としてはフランスの古いブルジョアジーの終焉、退屈さを紛らわすための狩りや仮装パーティー、許されない恋愛や冷えた夫婦関係もその範疇という富豪を皮肉った内容だと思うんですが、映画としてはその皮肉さや主人公の心理描写や背景がちょっと薄いというか、ものたりない。
どちらかというと、現代アートやインド音楽や東洋のオリエンタリズムなど、70年代の流行を切り取った映画という方がしっくりくる気がします。
ジェーン・フォンダのために撮った映画という気も。
監督のロジェ・ヴァディムは、前年にジェーン・フォンダと結婚。
衣装がファッションショーのようにコロコロ変わり、シースルー越しのヌードシーンなど、彼女の美しさをフィルムに収めたいというのがあったんでしょうね。
ただ美しいシーンだけでなく、ずぶぬれ&ドロドロのシーンもあって身体を張ったシーンも。
ロジェ・ヴァディム監督はこの作品ののち、続いてジェーン・フォンダ主演『バーバレラ』(1967)も撮っています。
(最初の妻は18歳のブリジット・バルドーだから、美女を見出す才能があったのかも)
あと印象的なのは、鏡のシーンを多用していること。
画面に広がりが出るのと同時に、自身の中にいる本心をあぶりだす効果も。
また歪みのある鏡やドロステ効果(合わせ鏡)のような画面も多く、人間関係の歪みをメタファー(隠喩)として表現してある気がします。
アート&富豪という、フランス映画らしい映画ですね。
原発事故の真実を伝えようとする女性リポーター役をジェーン・フォンダが熱演↓
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