『怒りの葡萄』(1940年 アメリカ)
By "Copyright by Link
「女は男より変わり身が上手だ。男は物事にとらわれる。逆に女は川のように流れる。だから強くなるんだ」(映画より)
今朝の1日1映画は『怒りの葡萄』(1940年 アメリカ)を鑑賞。
不況の嵐が吹き荒れる1930年代のアメリカ中西部。
仮出所を許され、4年ぶりに故郷のオクラホマに帰ってきたトム(ヘンリー・フォンダ)。
しかし、家族の姿はそこにはなく、数年来の不作で立ち退きを余儀なくされた家族は叔父の家に身を寄せていた。
トムはそこで優しい母(ジェーン・ダーウェル)をはじめ懐かしい家族との再会を果たすが、一家は間もなく新天地カリフォルニアを目指して旅立つことになる。
しかし厳しい旅の末にカリフォルニアに到着した一家が得たものは…。
スタインベックの同名小説を、監督に『静かなる男』のジョン・フォード、主演に『黄昏』のヘンリー・フォンダと『風と共に去りぬ』のジェーン・ダーウェルで映画化。
大恐慌時代、新天地カリフォルニアに移住した貧しい一家が、希望を胸に逞しく生き抜こうとする姿をディープ・フォーカスを得意とするグレッグ・トーランドの撮影で描いた名作ヒューマン・ドラマです。
うーん、過酷。
カルフォルニアに行ったらオレンジと葡萄が食べ放題で稼げる!と、求人ビラを見て、一家が生きるためにアメリカ大陸を大荷物の車で移動するロードムービーなんですが、そのみちのりで生死を賭けた予期せぬいろんなことが起こります。
おじいさんが「わしは行きたくない!」って駄々をこねたシーンからなんか不幸なことが起こる予感はしたんですが、案の定起こり、見ていてちょっとへこみます…。
でもへこたれないのがこの家族。
旅の道中で出くわしたさまざまな経験を通して、主人公はどんなときでも権力に立ち向かい、民衆のために戦える精神を持つほどにに成長します。
そしてお母さんの存在も大きい。
主人公をはじめ、男たちはケンカや暴動などに巻き込まれてしまいがちなんですが、お母さんは彼らに寄り添い、大地のように一家の精神のよりどころとして存在し、あらゆる出来事を受け流す。
「金持ちは子供が死んだらその代で終わるけど、私たち民衆は生き続ける」というお母さんのセリフが物語るように、どんな不幸があろうとも上手く乗り越える知恵を身に着けているんですよね(小説版より前向きに描かれています)。
お母さん役のジェーン・ダーウェルはこの映画でアカデミー賞助演女優賞を受賞。
監督のジョン・フォードもアカデミー賞最優秀監督賞を受賞しています。
どん底を味わった人間ほど強いし、人間の絆を大切にする。
彼らの姿に、勇気をもらえる映画です。
↓予告編
ジョン・スタインベック原作の映画は、これらも見ました↓
いつもご覧いただきありがとうございます♪
にほんブログ村参加中(クリックしていただけるとうれしいです)