カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『グロリア』(1980年 アメリカ)

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ヴェネチア映画祭最優秀女優賞に輝いた
スピルバーグが絶賛するジーナ・ローランズの痺れる演技

今朝の1日1映画は『グロリア』(1980年 アメリカ)を鑑賞。

組織の会計をしていた男が資金を横領した上、情報を売っていたことがバレ、一家もろとも殺された。

生き残った少年フィルを、偶然居合わせたグロリア(ジーナ・ローランズ)がいきがかり上預かる羽目になってしまう。

しかし、証拠を記した手帳を持っていたことを知った組織は、二人を執拗に追い詰める。グロリアとフィルの必死の逃避行が始まった…。

ジョン・カサヴェテス監督の最高傑作といわれるハードボイルドドラマです。

中年女性が銃を放ちながら子供を連れて逃げるという、のちの『レオン』(1995)のベースになったと言われるこの作品。

製作時は危うくお蔵入りになったところを、スピルバーグが絶賛して日の目を見ることに。

以来、各賞を受賞していて、黒澤明監督もお気に入りの1作だそうです。

いやぁ、カッコいいですね!

中年女性が銃、しかも殺しに慣れているという、見た目と行動のギャップを最大値に設定。

子供というコントロールできない存在を連れてギャングから逃げるという、最初は少し厄介なお荷物に感じているんですが、だんだんと2人の間に母性や友情、愛情が芽生える「バディもの」となっています。

薄暗くて汚いアパート、地下鉄も落書きだらけ、移民の子供など、ニューヨークのリアルも感じ取ることができます。

これまで観てきたカサヴェテス作品はアップショットで感情を描いた作品が多かったですが、これはまた視点が少し違う。

子供が感情をあらわにする存在として描かれるので、グロリア自身はどっちかというと寡黙。

その分セリフより行動で表現する割合が多く、相手に隙を与えないような銃の構え、たばこを吸う、高いヒールで逃げる、タクシーや地下鉄など公共交通機関を乗り継いで逃げるなど緊張感のあるシーンが続きます。

セリフは一言でその性格や状況が分かるようにしてあって、カフェで店員に危うい場面で「とっとと去れ」と言うなど(それを真似する子供)、精神的な強さを強調。

その姿はハードボイルドで素敵です。

で、見ながら、その衣装とかヘアメイクがすごい気になりだしてずっと見てたんですが、今時のニューヨーカーはパンツスタイルの動きやすい服だったりしますが、グロリアはスカートで、巻髪にヘアコームでまとめ、覚悟を決めるときはコームを下す。

服はサテンの光沢のあるセットアップの薄手のスカートスーツで、ピンク+グレー、黒+ピンク、黒のカシュクールワンピース、靴はヒールでベージュ。バッグもベージュのショルダー。

メイクは薄い眉にアイラインを黒で強調。

動きやすい服ではなく、あえてドレスライクな服やヘアスタイルにすることによって、気品あふれる女性が銃をぶっ放すというギャップが生まれ、カッコよさが増すんですよね。

アクション映画をいろいろ見てきていますが、「こんなにかっこいい女性はいないなぁ」「同性から見てもちょっと惚れてまうやろ!」と思ってしまう映画です。

↓予告編

 
 

ジョン・カサヴェテス監督作品はこれらも見ました↓

 

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