『大菩薩峠 竜神の巻』(1960年 日本)
中村珠緒さん(当時21歳)ってこんなに演技が上手かったとは!
ブルーリボン賞助演女優賞の表情豊かな演技
今朝の1日1映画は『大菩薩峠 竜神の巻』(1960年 日本)を鑑賞。
京の島原で机竜之助(市川雷蔵)と剣を交えた宇津木兵馬(本郷功次郎)だが、混乱のなかで仇敵を見失う。
彼が竜之助を追う旅の途中で知り合った娘・お松(山本富士子)はかつて大菩薩峠で竜之助に殺された老巡礼の孫娘だった。
一方、竜之助はふとしたことから丹後守の屋敷に逗留することになったが、そこには死んだお浜と瓜二つのお豊(中村玉緒)がいた……。
昨日見た時代劇の巨匠・三隅研次監督による、第1部の続きとなる第2部です。
今回は共演の中村珠緒にくぎ付けですわー。
主人公・机竜之助という男はまったく感情をあらわにしない役なので、低い声での棒読み的な独特のしゃべり以外は見た目と動きで勝負なところがあるんですが、それを補うのが彼を支える女性「お浜」「お登」(1人2役)。
内田吐夢監督&片岡千恵蔵版では三浦光子が演じていて、凛とした佇まいがある人なんですが、今回は中村珠緒(当時21歳)。
これが、中村珠緒さん、感情表現が豊かで演技が本当に上手い。
特に動きが日本舞踊的というか、動線が美しく、女性としての凛とした品と儚さ、弱さを兼ね備えている。
歌舞伎の名門のお嬢様出身ということで、小さい頃から父親の舞台に立ち、日本舞踊や立ち回りの稽古などもされていてそういうしぐさが身についているんでしょうね。
表情も細やかで、猫のようなちょっと吊り上がった目線の奥に秘めた強い思いなどの表現も見事。
私が知っている珠緒さんは歳を重ねたバラエティー番組でのダミ声のコミカルなお母さんですが、若い頃ってこんなに可愛らしい声で素敵な女優さんだったんだと発見です。
この作品でブルーリボン賞助演女優賞を受賞されているだけあります。
珠緒さんの若い頃の作品、いろいろ見てみたい。
そう思わされる映画です。
(※見るときは1部から見ないと話が分からない構成です)
↓予告編
第1部の記事はこちら↓
第3部(完結篇)の記事はこちら↓