『高慢と偏見』(1940年 アメリカ)
5人娘の結婚話に誤解と偏見が渦巻いて…。
テンポのよい会話が楽しいロマンティックコメディー♪
今朝の1日1映画は『高慢と偏見』(1940年 アメリカ)を鑑賞。
ある日舞踏会で中級階級のエリザベスは資産家のダーシーと知り合うが、彼の高慢で尊大な態度 に反感を抱く。
彼からのプロポーズも頑としてはねつけたエリザベスだったが、 ある出来事から自身が抱いていたダーシーへの反感は、第一印象で「嫌な奴」だと決め付けた偏見によるものだったと気付き…。
ジェーン・オースティンの1813年の小説 『高慢と偏見』をグリア・ガースン&ローレンス・オリヴィエ主演でロバート・Z・レオナード監督が映画化。
華やかな衣装とコミカルなセリフのやり取りが楽しいロマンティックコメディーです。
当人がいないところで陰口を言う「本音と建て前」のやり取りが噂となり誤解に発展。
日本ではよくある風景ですが、本音をズバッと言うというイメージのヨーロッパでも日本と同じような使い分けがあることが分かります。
5人姉妹を持つ両親が、何とか金持ちと結婚させようと必死でドタバタするんですが、お母さんのキャラクターが「男=お金!」と考えていて、娘たちの相手をあれこれ品定めしている様子が非常に面白く、コントのボケ担当という感じがありますね。
この、資産をいかに娘たちに譲渡するかで揉める構図は市川崑監督『犬神家の一族』だし、結婚させるために回りの人間がちょっとした茶番を演じるというのは小津安二郎監督『晩春』に似ていて、原作があるといえど、こういう構図は映画になりやすいのか、この映画はその後の監督たちに影響を与えているのかもと思ったりしました。
衣装は非常に華やか。
わざと映画の時代設定よりも遅い時代のデザインに設定し、結構豪華になっています。
カラー時代にも関わらず白黒映画の理由は、プロデューサーのデヴィッドO.セルズニックがカラーフィルムを『風と共に去りぬ』(1939年)ですべて使ってしまったため。
豪華セット&衣装だけにちょっと惜しいですよね。
主人公の女性エリザベスは自分の意見をキチンと言う女性として描かれていて、『風と共に去りぬ』の主人公も自分を持った女性だったし、1940年代をリードしている女性像だったのかも。
ダンスシーンも多く、編集もシーンつなぎで結構時間をジャンプしていて、スタイリッシュ。
いつの時代も親は子供を心配し、子供は不安の中結婚相手を選ぶという、今の時代でも共感できるし、映画としても色褪せないですね。
コリン・ファース&ジェニファー・イーリー主演の1995年版、キーラ・ナイトレイ&マシュー・マクファディン『プライドと偏見』(2005年)など、何度も映画化されているようなので、機会があったら見比べてみたいと思います。
PS:ホラーにアレンジした『高慢と偏見とゾンビ』(2016年)という作品も! 気になる…。
↓予告編