カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『日本沈没』(1973年 日本)

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画像:リンクより

日本海溝、その底では何かが起こっている」(映画より)
怪獣映画から脱却した特撮映画の記念碑的作品

今朝の1日1映画は『日本沈没』(1973年 日本)を鑑賞。

小笠原諸島のとある島が突如として姿を消した。

小野寺(藤岡弘)の操縦する潜水艇に乗って調査に向かった田所博士(小林桂樹)は、海底に重大な異変が起きているのを発見し、近いうちに日本が海底に沈むという恐るべき予測にたどり着く。

やがて、日本各地で大地震や火山の噴火が起こりはじめ……。

小松左京の同名ベストセラーを映画化し、社会現象を巻き起こした森谷司郎監督による特撮パニック大作です。

何度もドラマやリメイク作品が作られている原作ですが、初めて映画化されたのがこの作品。

ちゃんと見たことがなかったんですが、なるほど、すごいスケールの映画ですね。

しかも全体像が分かりやすい。

物語がナレーションで説明しながら進み、カメラは宇宙ぐらいの上空から日本列島全体を映すマクロな視点から、各列島ごとのミドルな視点、各町で逃げ惑う人々のミクロな視点まで、状況説明がきちんと入れ込んであるので、何が起こっているのかがを全体像として把握できる。

地球物理学(東大教授)役に実際の地球物理学者の竹内均さんが出演していて、動くスライドのような映像を使って火山などの地球の仕組みを解説してくれるんですが、「ためしてガッテン」の模型ぐらい非常に分かりやすくて、なるほどーと勉強になります。

そして、迫力ある特撮。

それまでの“特撮は怪獣映画”というイメージをこの作品で払拭。

特撮だけで2.5億円(現在で換算すると5~6億円)を費やしています。

実際の噴火やマグマなどの映像との合成技術はありますが、今みたいにCGでできる時代ではないので、ミニチュアで街や家を作って壊したり、大がかりなセットを燃やしたりしていて。

バッシャーと水しぶきを起こしたり、岩を崖からゴロゴロ落としたり、そしてそれらをスローモーションにしていかにリアルに見せるかという技術を試行錯誤しながら加えたり…。

過酷な撮影現場の様子を想像しながら見ると、もうありがたすぎて感動してしまいます。

その他、技法として印象的なのは影。

潜水艇や会議室のシーンでは恐怖心を出すために光と対比させるように影が作り出されていて、効果的になっています。

パニック映画ではありますが、展開はわりとゆっくり。

藤岡弘さんといしだあゆみさんのラブシーンがちょいちょい入り、若い二人の行く末を見守りながら進むところが希望があって、過酷な状況からわずかですが現実逃避できます。

映画の中では、日本が沈没するくらいの災害が起こることが事前に分かってそれに政府が対応する様子が描かれていますが、実際には予知されてから逃げきるまでにここまで時間があるのかというのは分からない…。

ニュースにはあまりならないですが、今日も昼過ぎ、鹿児島県・諏訪之瀬島で噴火があったよう。

「地球は、生きているんですね」という当たり前のセリフが胸に響くと同時に、この日本列島というアジアの島国にいざということが起きた時に、政府として、一個人として何ができるのかを考えさせられる作品です。

 
 

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