『嵐が丘』(1939年 アメリカ)
Scan via Heritage Auctions. Cropped from original image., パブリック・ドメイン, リンクによる
「貴様の憎しみや災いは、すべて自分に跳ね返ってくる」(映画より)
甘い言葉&名セリフの応酬に酔いしれる
今朝の1日1映画は『嵐が丘』(1939年 アメリカ)を鑑賞。
荒野に佇む古い館・嵐が丘の主人アーンショーに養子として引き取られた孤児ヒースクリフ(ローレンス・オリヴィエ)は、アーンショーの娘キャサリン(マール・オベロン)と恋に落ちる。
しかし、キャサリンが上流階級の青年エドガー(デヴィッド・ニーヴン)にプロポーズされたことを知った彼は、ショックから姿を消してしまう。
数年後、都会で成功したヒースクリフは嵐が丘へと舞い戻り、自分を貶めた住人たちへの復讐を開始する…。
ハリウッド黄金期の巨匠ウィリアム・ワイラーが、エミリー・ブロンテの名作小説を映画化した文芸ドラマです。
原作は何度も映画化、ドラマ化、舞台化されている名作。
昔、夏休みとかにリメイクの昼メロを放送していて、ドロドロしていたことだけ覚えています。
最初に映画化された本作を見てみたんですが、これぞ王道のメロドラマですねぇ。
貧富の差、養子との秘密の恋、上流階級者との結婚、そして復讐…。
また、孤児だったヒースクリフは女性が胸に秘めている本当の気持ちを言い当てるような、あんたは占い師かメンタリストか!というくらい女性の心を読み取る能力に長けているのもニクい!
こういう要素がてんこ盛りの韓国ドラマってほんとよくできてるなーと思うんですが、そのベースはこういう文学作品であり映画作品なんだろうなということを改めて思わされます。
で、すごいのが名セリフの応酬。
日常会話で使うとキザすぎてイタい人になりかねないような甘い言葉や人生の教訓の数々が、次から次へと紡ぎ出される。
名作の条件として、普段使わないような映画ならではの独特の表現するセリフが多いというのがあると思うんですが、この映画はそれをとことん集めましたというくらい出てくるので、見終わった後のうっとり度がなんだか違うんですよね。
お金持ち邸宅のシーンでは、庭にクジャクがわらわらと闊歩しているようなゴージャスぶりで、目にも楽しい。
「愛しているが貧乏な人」と「そこまで愛していないが金持ち」の間で揺れる姿は、きっと多くの女性が共感できるテーマ。
そのふるまいは我がままな人にも映るんですが、同年に公開された『風と共に去りぬ』(1939)の、生き延びるために男性を利用しながら成り上がっていく強かで狂暴な女性主人公スカーレット・オハラよりはまだましかな(笑)。
抒情的な音楽、気持ちのメタファー(隠喩)としての嵐や雨風などの天候も映画の世界観をとことん盛り上げる。
同原作で他の映画化された作品もぜひ見てみたいと思います。
↓予告編
↓本作の孤児ヒースクリフ役のローレンス・オリヴィエ主演作品は次の2作も見ました。
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