カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『茲山魚譜 チャサンオボ』(2021年 韓国)

https://m.media-amazon.com/images/I/81Mt5VYFKlL._AC_SY445_.jpg

画像・:リンクより

庶民のための“海洋学書”を記した学者と弟子の心の交流

今朝の1日1映画は昨日見た『茲山魚譜 チャサンオボ』(2021年 韓国)の感想を。

李氏朝鮮時代の1801年。

キリスト教に対する迫害が行われ、熱心な教徒であった学者チョン・ヤクチョンは黒山島(フクサンド)に配流された。

しかしそこには、豊かな海と自然、そして生活は貧しいが親切で素朴な人々との出会いがあった。

チョン・ヤクチョン(ソル・ギョング)は次第に海の生物たちの魅力にとりつかれ、庶民のための"海洋学書"を書き記そうと決心する。

島民の中に誰より海の生き物に詳しい若き漁夫チャンデ(ピョン・ヨハン)がいることを知ったチョン・ヤクチョンは、学問を教える代わりに海についての知識を自分に伝授するよう取引を持ちかける。

やがて二人は互いに師となり友となり強い絆が生まれるのだが―。

金子文子と朴烈』『王の運命-歴史を変えた八日間-』などのイ・ジュニク監督が、韓国で有名な海洋学書に記された史実を基に、身分の違う師弟の絆を描いた人間ドラマです。

去年映画館で見逃していたんですが、現在広島市映像文化ライブラリーで開催中の「2022 KOREA WEEK 韓国映画特集 in 広島」という無料上映会で見ることができました。

最近昔のモノクロ映画を頻繁に見るようになっていますが、それらに比べるとコントラストがソフトで品があって、やはり今の映画の雰囲気。

構成は師匠と弟子の“バディもの”としての流れで、いい人間関係を築く様子が描かれます。

個人的な見どころはまず「論語」や「大学」などの書物に記載されている人生哲学のような漢文がたくさん出てくるところ。

映画では、まず漢字をハングルの音で上からずらっと読み、その後、~イムニダ(입니다)などの「ですます」をつけて現代の言葉で要約して読んでいるんですが、昔の朝鮮ではどうやって読んでいたのかなというのが気になって。

日本では漢文に訓点(レ点、一二点、甲乙点など)を付けて読みますが、朝鮮にもそういうのがあるのかな?などそういう素朴な疑問がわいてきます(現在の韓国語は日本の語順とほぼ同じなので)。

また、魚図鑑ではなく魚についての学術書なので、漢字で綴っていくシーンもなるほどと。

知的好奇心をくすぐられる場面が多々あります。

魚釣りなど、魚にまつわるシーンも楽しい。

ガンギエイ(韓国語ではホンオ(홍어))を調理する場面が出てくるんですが、発酵させたホンオフェ(홍어회)は朝鮮半島南部の郷土料理として有名。

アンモニア臭がすごいらしくて、日本で言う“くさや”的な珍味なんですが、フカ(鱶)やサメ(鮫)のような弾力のある触感で、マッコリを飲みながら食べると美味しいらしいので一回食べてみたいんですよねぇ。

舞台となった黒山島(フクサンド)は、韓国の西南端の海域に位置する島。

現在は絶景がポイントが人気の観光地としてにぎわっているそうです。

映画の主人公である、正祖(イ・サン)の右腕としても活躍した学者チョン・ヤクチョン(丁若銓)の遺跡地には、現在生家や墓、記念館、ヤギョンの発明した挙重機/コジュンギ(クレーン)などがあり、博物館ではチョン・ヤギョンの思想について知ることができるそう。

韓国南部の島にはまだ行ったことがないので、いつか機会があったらぜひ行ってみたいです。

韓国映画特集は10/7(金)まであります。

↓予告編

 
 

いつもご覧いただきありがとうございます♪

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村参加中