カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『憎いあンちくしょう』(1962年 日本)

愛を探してジープとジャガーが東京~熊本を横断!
モダンなスタイルに魅了される熱い映画。

今朝の1日1映画は『憎いあンちくしょう』(1962年 日本)を鑑賞。

毎日忙しいスケジュールに追われる人気タレントの北大作(裕次郎)。

マネージャーの榊田紀子(浅丘ルリ子)とは二年間の付き合いだが、一方的な彼女に対してはどこか醒めている。

あるとき出演したトーク番組で、恋人との純愛を信じ続ける娘、井川美子(芦川いづみ)に出会い、そのひたむきさに感銘を受け、純愛が本当に存在するのか確かめようと思い立つ…。

東京―九州間をボロ・ジープで突っ走るスリル溢れる縦断ロケを敢行。

壮大なスケールで、裕次郎が現代人の“夢”と希望”を、若さと情熱でぶちまける、『銀座の恋の物語』の藏原惟繕監督による青春娯楽超大作です。

これはカッコイイですねー!

オープニングで、売れっ子タレント・北大作がラジオ収録が終わってから急いで帰って自宅でつかの間だけ寝て、マネージャーが起こしに来て…というくだり。

手持ちカメラで回り込むように裕次郎を追い、モダンなライフスタイルを送っている彼をモダンジャズをバックにストップモーションにしてタイトルを斜めに入れ込む。

お洒落なフランス映画を見ているようです。

北大作の部屋にカリモク60シリーズの家具とかありそう。

そのお洒落な雰囲気とは逆に、描いている内容は情熱にあふれ哲学的。

「愛とはなんだ!」です。

恋心は抱きつつも、フレッシュな気持ちを保つため男女の関係は我慢している人気タレントとマネージャー。

一方、手紙だけのやり取りで2年も純愛を続けるカップル。

本当の愛を確かめるため、東京から九州を旅していきます。

旅の過程でマスコミに追われる様子も描かれているんですが、これ当時の裕次郎自身もそうだったようで。

裕次郎は寝る暇もないほど忙しすぎて、『今日に生きる』(1959年)の撮影後、ふらりと関西に旅に行ったきり行方不明に。

短い期間ではありましたが、日活スタッフは慌てふためいて大探ししたそう。

北原三枝との恋愛問題やスターとしてどうふるまうかに悩み、マスコミ・ノイローゼになっていた裕次郎

スター・裕次郎としてのリアルな一面を描いた映画とも言えます。

シルバーの素敵なジャガーに乗って追いまくる浅丘ルリ子さんの執念の演技も見ものなんですが、東京~九州のロケ地も見もの。

当時の日本の都市や街の風景や人々がどういうものだったのかが映りこんでいて。

原爆ドーム前を颯爽と走り抜けるジープとジャガーの姿もあって、路面電車からあふれんばかりの人が車が走り抜けていく様子を見ているシーンは、当時は原爆ドームの前に高い建物もなく広々としていたんだなというのが分かります。

こんなに熱く愛を描く日本映画、今ではないかもしれないですね。

↓予告編

 
 

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