『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(1997年 日本)
浅丘ルリ子がマドンナでキャバレー歌手リリー役を好演。
寅さんシリーズで人気の作品の再編集版。
今朝の1日1映画は『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(1997年 日本)を鑑賞。
セールスマンとして日本各地を飛び回っている満男(吉岡秀隆)。
最近、同じ旅の空の下にいる伯父の寅次郎(渥美清)のことをよく思い出していた。
満男は特に印象深かったリリー(浅丘ルリ子)の夢を見る――。
かつて寅が想いを寄せたキャバレー歌手のリリーが沖縄で倒れた。
それを手紙で知った寅は、大嫌いな飛行機に乗って、リリーのいる沖縄の病院へと急ぎぐが…。
渥美清の死去により終了した「男はつらいよ」シリーズ全48作の中から、シリーズの大半を演出した山田洋次が特に好きな一編という第25作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」を、コンピュータ・グラフィックの導入、ドルビー・ステレオ・システムで録音し直すなど、最新技術を駆使してリニューアルさせた特別篇。
冒頭部分には、寅次郎の甥の満男にふんする吉岡秀隆の登場シーンを新たに追加して、満男が寅さんの想い出を回想するという形に仕上げてられています。
寅さんシリーズ、まだちゃんと見るのは2作目で、1980年版を見ようとしてたんですが、知らずに再編集された特別篇を鑑賞…。
冒頭とラストに1997年の満男が出てきて回想という形になっていますが、中身はほぼ1980年版だと思います。
他のシリーズ作品と比較はできないんですが、リリーさんの姉御肌なキャラクターが自由な寅さんの手綱をグッと引っ張り、非常にバランスがいいカップルですね。
調べてみると、浅丘ルリ子さん自身が姉御肌の性格で、仲間の俳優を兄弟姉妹のように慕い&かわいがり、とても情に厚い方。
そういう性格がキャラクターにもにじみ出ていて、頼れる存在です。
『男はつらいよ』を見ていると、素直に言えない言葉の裏側にある本心みたいなのが透けて見えるのが面白い。
さくらは常に本心をそのままセリフにする人で、兄のことを心配していたら「お兄ちゃんが心配だわ」と言える人なんですが、その周りの人照れくさくて言えなかったり、照れ隠しで逆のことを言ってしまいます。
沖縄から連絡がない寅さんを、おばさんは「ハブにかまれて、死んじゃったんだよ、きっと」って言い放つんですけど、本心は心配でしょうがなくて、自分を落ち着かせるために冗談を吐く。
そういう、日本人ならではの気遣いだったり、あまのじゃく的だったりという表現がいたるところに出てきて、いろいろ言うけどみんな寅さんを愛していて、いつも心配している。
そこにグッときちゃうんですよねぇ。
市場や民家など、今はたぶん変わっている42年前の沖縄ならではの風景にも癒されます。
寅さん、食わず嫌いでこれまであまり見てこなかったんですが、たまに見てみたいです。
PS:リリーのセリフの中に、「朝起きるとハイビスカスの花の香りが~」とあるんですが、ハイビスカスってほどんど香りがないんですよね…。他の花の香りかもですね。
↓予告編
シリーズ第3作目を見たときの記事です↓
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