『ハイ・フィデリティ』(2000年 アメリカ)
Fair use, Link
「人間の価値は“人間性”ではなく“好み”で決まる」(映画より)
音楽オタクで恋愛オンチな30代独身男のコメディドラマ
今朝の1日1映画は『ハイ・フィデリティ』(2000年 アメリカ)を鑑賞。
音楽をこよなく愛するロブ・ゴードンは、シカゴで小さな中古レコード・ショップのオーナーをする30代の独身男。
音楽へのこだわりがあまりに強すぎるためか店のほうはパッとしない。
同棲中の彼女ローラとは結婚もせずに中途半端な状態。
ついにある日、ローラは理由も告げずに家を飛び出してしまい……。
原作は大ベストセラー小説。
ポップと極上ロックがブレンドされた音楽ネタ満載の、スティーヴン・フリアーズ監督による作品です。
元レコード店ヘッド・バイヤーの弟が「“レコ屋あるある”が詰まっている作品」と薦めてくれて鑑賞。
ほんと、この映画の見どころは、音楽ネタ。
主人公は、ヒット曲ではなくフランク・ザッパのフランス盤を求める音楽マニアが来るような中古レコード店を営んでいて、店員同士の話もめちゃくちゃ細かいところまで音楽ネタを入れ込んでいて、音楽好きなら唸ること請け合いです。
映画的に見ると、特徴はなんといっても「第4の壁」を破っていること。
主人公はカメラ目線で鑑賞者に自分の話を次々と話してきます。
そのことによって鑑賞者と俳優の境界をなくし、劇中に引き込む効果が。
また、自分自身を語るナレーションも多い。
映画の既成概念を破っているスタイルと同じように、この主人公も普通の人とは一風変わったこだわりが強い人物なんですよね。
付き合っている彼女など回りの人に言えない話や心境を私たちにこっそり話しかけてきてくれながら進むんですが、彼の話を聞いていると、なぜいつも女性に振られてしまうのがが分かってくる(笑)。
付き合って良かった女性ベスト5みたいなのを、「ベストヒットUSA」ばりにヒットチャート番組のランキング形式で語るのもウケます。
現在と回想が頻繁に行ったり来たりし、登場人物も多めなので、ちょっと混乱する部分もありますが、それも含めて山のようなレコードから掘り出しモノを見つけるように、彼の頭の中に散乱している人やモノの中から、何が軸となって行動しているのかを探すと見えてくる、そんな面白さがあります。
冒頭に書いた「人間の価値は~」というのは主人公のセリフなんですが、私も昔はめちゃくちゃ共感する部分で、音楽の好みが付き合う人や自分の人生を左右していたのを思い出します。
(今は好み以外の面白さも知ってしまいましたが…)
『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックや、カメオ出演としてブルース・スプリングスティーン本人が出てるなど、唸るシーンも。
そういう、ちょっとこだわりのある(あった)人にはたぶん共感できる作品です。
↓予告編
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