『花くらべ狸道中』(1961年 日本)
楽しいわー、これ。
狸たちが化かしあう、“特撮”ミュージカル・コメディ!
今朝の1日1映画は、今日が市川雷蔵さんの誕生日ということで『花くらべ狸道中』(1961年 日本)を鑑賞。
狸の国の雷吉(市川雷蔵)と新助(勝新太郎)は、首領の身代わりで弥次喜多に化け、江戸へ向かうが、刺客の娘・きぬた(中田康子)に狙われる。
セクシー戦法に目が眩んだ新助は、危機一髪のところを新選組に化けた雷吉に助けられ……。
1961年1月3日にお正月映画として封切られた、ミュージカルコメディーです。
いやー、楽しい!
金髪の髷(まげ)に、着物にネックレス、物や全身タイツ&南国のパーカッションミュージシャン…などに扮した登場人物たちが、派手なダンサーたちとモダン・ジャズで歌い踊る!
さらに狸たちが化かしあうシーンは「特撮」ですよ。
これ以上の洒落の利いた異次元ワールド、今の映画にありますでしょうか。
いや、ないですわー。
映画ってリアル感を追求するところがあって、「江戸時代にはこんなものはまだなかったんですけど」みたいな、リアルでないものにはツッコミが入るというのが定石だったりしますが、この映画はそれをあえてやっている。
江戸時代にはない、1961年の現代を取り入れることによって共感が生まれ、その時代超越感がさらに「狸」という化かしあいのひっちゃかめっちゃかさと相まって高揚感を生む。
歌って踊って何でもアリのお祭り騒ぎなんですが、市川雷蔵、勝新太郎、若尾文子、中田康子という面々が持つ“品”がそれを包み込み、決して下品にはならないんですよねぇ。
なんだろうこの絶妙なバランスは。
分かりやすい喜劇にちょっとお色気がプラスされて、華やかなレヴューをみているような至福のひとときを味わえます。
しかも1960年頃は安保闘争。
狸の社会にモチーフとして取り入れられていて、社会的側面も描かれている実は深い作品でもあります。
「狸もの映画」というジャンルはあるそうで、この映画などがのちにチェッカーズ主演映画『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』(1985年)や、ジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)にもつながっていくという。
他の狸映画、いろいろ見てみたくなりました。
狸もの、侮れませんね。
↓冒頭部分
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