カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『セブン・チャンス』(1925年 アメリカ)

By MGM - Link

喜劇王バスター・キートンが身体を張って逃げまくる!
活動弁士澤登翠さんの活弁入り

今朝の1日1位映画は『セブン・チャンス』(1925年 アメリカ)の活弁入り(1992年版)を鑑賞。

内気なジミイは恋するメリーになかなか求婚することが出来ない。

さらに、親友ビリーと経営する会社も営業不振。

そんな折、もしジミイが27歳の誕生日の19時までに結婚すれば700万ドルの遺産をうけとれる事がわかった。

27歳の誕生日――それは今日だ!

純愛から、お間抜けギャグ、命がけの大アクションシーンまで見どころ満載の喜劇王バスター・キートンの傑作です。

もう見ていて、クスっと笑えるし、大勢の花嫁から、野を駆け、山を越え、谷を飛び、落ちてくる岩石をよけながら逃げまくるアクションシーンはどうやって撮影しているの?スタントなし?っていうぐらい危険極まりないシーンの連続!

仕掛けもあるんでしょうけど、それを感じさせない身体を張った演出に脱帽です。

主演だけでなく、監督・編集・プロデュースもバスター・キートンが行っていて、きっと当時のジャッキー・チェンみたいな人だったんでしょうね。

すごい伝説もあって、他の作品で首の骨を折ったにもかかわらず、気がつかずに撮影続行。

一年半後偶然に骨折の痕が見つかり、その時には既に完治していたという武勇伝が。

本人は「頭痛が続く」しか自覚がなかったそうで、ある意味超人です。

また「偉大なる無表情」と呼ばれていたキートン

喜怒哀楽を表情に出さず、無表情のまま身体を張ったギャグを披露。

命がけのアクションとのギャップが面白さを誘うんですよね。

この法則って、「寅さん」や「ミスター・ビーン」などにも当てはまり、周りの人が笑っている時に、無表情だったり泣いていたりなど他の感情でいることによって、周りの人との感情の“ズレ”が生じ、そこに笑いが発生する。

バスター・キートンも以前は感情を出していたそうなんですが、独立後に無表情での演技が定着。

それから大スターとなっていきます。

笑いの科学というか、どういう要素が面白くさせるのかを常に研究してた人なんでしょうね。

今の喜劇があるのも、こういう偉大な喜劇スターのおかげなのかも。

今回見たバージョンは活動弁士澤登翠さんによる活弁入り。

澤登さんの活弁って、しなやかで品のある声で、観客の想像力を邪魔しない程度にそっと必要最小限のセリフで作品に寄り添う感じがあって、非常にスマート。

作品の良さを引き立たせる活弁で良いですね。

この頃、昭和初期の日本でも、キートンのような体を張った大スター、ハヤフサ ヒデト(広島県広島市中区出身)が大活躍していたそうなんですが、現存する作品が少ないようで、なかなか見る機会がなく。

そちらもいつか見てみたいです。

 

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