『俺は待ってるぜ』(1957年 日本)
よしもと新喜劇の島木譲二さんの名前の由来はこの映画だったのね。
石原裕次郎×北原美枝のアクション・メロドラマ娯楽大作
今朝の1日1映画は『俺は待ってるぜ』(1957年 日本)を鑑賞。
夜霧深い波止場にある小さなレストラン“リーフ”のマスター島木譲次(石原裕次郎)は元ライト級ボクサーだったが、喧嘩がもとで誤って人を殺してしまい、それ以来ボクサーを辞め、悔恨と失意の日々を送っていた。
そんな譲次の希望は、ブラジルにいる兄のもとに行くことだった。
1年後に必ずお前を呼ぶから、という兄の言葉だけを信じ、この波止場で便りを待ち続ける譲次。
そんなある日、彼は橋の上で雨に濡れて立ち尽くす見知らぬ女(北原三枝)に出会うのだが…。
兄の石原慎太郎の脚本で、石原裕次郎が歌う同名主題歌も大ヒットした、『風速40米』『憎いあンちくしょう』など裕次郎主演作品を数多く手がける蔵原惟繕監督による第1回作品です。
石原裕次郎の役名が“島木譲次”で、あのよしもと新喜劇の“島木譲二”さんとほぼ同じじゃん!と思ったら、新喜劇の島木さんの本名は濵 伸二さんで、元ボクサーということで、この映画から芸名を付けられたんですね。
映画としては、展開としてハッとするような場面があり、推進力がありつつ、「追う&追われる」の分かりやすさ、人生の道先案内人のような助言者の存在もあって、バランスがいい。
打ちひしがれている女が、夢を追う爽やかな男に出会うが、彼にも暗い過去があり、お互いが惹かれあっていくんだけど、彼の思いは兄に向っていて…という心が通いそうになりながらすれ違うというその絶妙な緩急の波を楽しめます。
それにしても北原三枝さんが美しい。
身長が割と高くて、178cmの石原裕次郎の横に立って、ヒールを履いてちょうどいいバランスで。
冒頭での、雨の波止場でトレンチコートに身を包み、ただ海を見つめているだけで絵になる。
そのミステリアスな姿はフランス映画のようです。
後半はアクションシーンが満載。
裕次郎はこのあたりから本格的なアクションをはじめ「日活アクション黄金時代」となっていきます。
ズームアウトで状況説明、ロングショットで一通り芝居をしてから転機となるセリフでアップショットというようなカット割りの流れが見やすくて、画としては、波止場での夕日が水面に映ってキラキラのゴールデンアワー+シルエットの2人や、遠近法を使った奥行きのあるシーンや三分割法のような美しい配置も印象的。
ラストシーンもクレーンがグイーンと上がっていって、余韻が残ります。
悪役で、あ、見たことあるっていう人もちらほら出ていて。
二谷英明さん、杉浦直樹さんの若い頃ってこんな感じだったのねーと。
美しくて分かりやすいけどミステリアス。
日本映画だけど外国映画のような、素敵な映画です。
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