『冒険者カミカゼ』(1981年 日本)
千葉真一+真田広之+秋吉久美子
ノンスタントで挑む、今では撮れないアクション映画
今朝の1日1映画は『冒険者カミカゼ』(1981年 日本)を鑑賞。
元オリンピック選手の東西大学職員・神風大介(千葉真一)、女性ジョッキーを目指す乗馬の得意な金城ケイ(秋吉久美子)、東西大学医学部生で体育部に所属の星野明(真田広之)が、ふとしたことから知り合って、大学の不正入学金7億を略奪。
この巨額な現ナマをめぐって、3人が黒い組織とわたり合い、危険の真っ只中で一大アドベンチャーを展開する!
壮絶アクションに加え、3人の頭脳プレイがキラリと光る、東映で千葉真一主演作品を多く手掛けた鷹森立一監督による娯楽アクション・ムービーです。
いやー、この映画、すごいですね。
千葉真一さんと言えば関根勤さんのものまね、真田広之さんはドラマ俳優として活躍している姿しかあまり知らない人間としては、身体を張ってアクションスターとして大活躍しているこの映画はもうびっくりしまくり。。。
アクションといってもこの映画は格闘技系ではなくって、乗馬・スキューバダイビング・水上スキー・器械体操と、複葉機・グライダー・ハンググライダー・モーガン・ジープなどを駆使し、陸・海・空から攻めていて、007ぐらいの迫力がある。
男性2人+女性1人という3人の活躍も、ルパン三世の実写版を見ているような気分に。
昨日書いた、昭和初期に活躍した身体を張ったアクションスター・ハヤフサヒデトの系統を次ぐ人物といえば千葉真一さんと言われるように、80年代の日本映画にもこんなに身体を張って映画を作っていた時代があったんですね。
技法を見ると、被写体に近寄ったり離れたりするズームを多用。
特に、急激なホイップズームを多用していて、被写体に集中する心理が働いて興奮を作り出すんですよね。
配色も冒頭から乗り物や衣装などに「赤」を意識的に使って興奮を作り出していて、役者の動き以外の部分でいかに鑑賞者の心拍数を上げるかという工夫がなされています。
すごいなーと思ったのは地上から上空へのズームアウト。
今でこそドローンで簡単にできますが、風が起こっていて、ヘリコプターで上空に向かってカメラが離れることによってズームアウトしていることが分かります(この1シーンのためにヘリコプターを使うのはなんとも贅沢)。
クライマックスも大きな廃墟での撮影で、もしかしたらと思って調べてみたら軍艦島。
鉄筋コンクリートの高層アパートが立ち並ぶ冒険心を掻き立てられる空間で、爆弾の煙&ドーンという音が鳴り響き、建物の影に隠れながら悪の組織から逃げる主人公たち。
画的に強すぎますよね。
世界遺産となった今じゃ絶対できない撮影も貴重です。
見ていて「やめてー!」「落ちるー!」などドキドキするようなシーンもスタントなしでやってのけていて、ものすごい準備と予算が掛けられた映画だと分かる。
カーリーヘアがよく似合う秋吉久美子さん、創作人形に囲まれた家に住むあべ静江さん。
フランス映画『冒険者たち』をオマージュして作られたらしく、音楽がフランスチックで哀愁があります。
壮大なアクション映画だけど、80年代のロマンやユーモアとともにほんのりと切なさも味わえる作品ですね。
PS:カフェのウエイトレスで志穂美悦子?と思われる美女が。調べてみると大正解。ノンクレジットでしたけど、カメオ出演しています。
↓予告編
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