カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『最後の戦斗機』(1956年 日本)

https://www.themoviedb.org/t/p/w300_and_h450_bestv2/xFJ9caKM4ILi8sO7lw8sL0qpQ9Z.jpg

画像:リンクより

出撃したら生き残ることは許されない…。
特攻隊の悲劇を重層的な人間ドラマで描いた一作。

今朝の1日1映画は『最後の戦斗機』(1956年 日本)を鑑賞。

太平洋戦争末期、日本の敗色が濃厚となった頃。

小高基地では若い予備学生出身者で占められていた。

新任の基地司令官は、南方作戦での失敗を取り戻そうと無謀な作戦が腹中にあった。

司令部の情報係・白井中尉(葉山良二)は不運にも出撃前に敵弾し命を落とした仲間の代わりに出撃を名乗り出る。

東京から逢いに来た恋人・則子(芦川いづみ)に何も言わないまま…。

世界を震撼させた特攻隊の悲劇を描いた野口博志監督による戦争映画です。

今日が終戦記念日ということで鑑賞。

実際に兵士が撮った戦争時の映像と、実写、ミニチュア特撮などを編集して、戦闘部分を忠実に再現。

それに加え、この映画は人間ドラマ部分がすごく印象的で、後半にアクションも含めてダダダダダーっと展開があります。

特攻で死ぬことを「犬死にだ!」と最後まで訴える主人公。

一度特攻に出た者は、生き残ることは許されない…。

軍組織の一員としてどうあるべきか、恋人や女性との関係、失った戦闘員との友情などのエピソードが最後の最後まで上手く絡んでいって、皮肉も随所にちりばめてあり、映画として結構見ごたえがあります。

また、戦闘員の遺書や、母親の写真、恋人が渡す形見、一匹の虫など、命と引き換えとなる品々などをクローズアップすることで命の儚さを際立たせている演出にもグッとくる。

空からの攻撃に地上で応戦するシーンでは、実際に建物が爆破したり、連射で地面が吹っ飛ぶなどしているんですが、役者さんのすぐそばで爆発していて、見ていて結構ハラハラドキドキします。

戦争で亡くなった人に思いを寄せる場面もありますが、映画『父と暮せば』のように、生き残った者の悲しみや心理、生きる目標や意味などを提示する作品にもなっていて、主人公の葉山良二さんが特攻隊員の複雑な心理を表現。

恋人役の芦川いづみさんなど特攻隊員に関わる周りの人々も、明日死んでいく人に対して、どう向き合い、自分の心をどう保とうとするのかという部分も描かれていて、人間描写の深さを感じます。

戦争が個人の幸せを引き裂いていく。

反戦映画として心に響く作品です。

PS:主演の葉山良二さん、初めて見た気がしますが、甘いマスクで人気があったんですね。芦川いづみさんは藤竜也さんの奥様。可愛らしい方ですね。

 

いつもご覧いただきありがとうございます♪

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