『君は恋人』(1967年 日本)
画像:リンクより
吉永小百合からザ・スパイダースまで
60年代のスターがこれでもか!というくらい次々出演の歌謡映画。
今朝の1日1映画は『君は恋人』(1967年 日本)を鑑賞。
今日は浜田光夫の再起第一作『君は恋人』のクランク・インの日。
スタッフの拍手に迎えられ、一年四か月ぶりにカメラの前に立った浜田は感無量。
「用意、スタート!」の力強い掛け声がセットに鳴り響いて、カメラは静かに廻り出した。
そのストーリーとはチンピラやくざの光夫が一攫千金を夢見て、殺し屋を志願するというもので…。
41年7月不測の事故で目を負傷した浜田光夫が、ファンの激励で奇跡のカムバックをとげた再起第1作。
友情出演に、日活やポップス界のトップスターが集結した青春超大作です。
これは華やかな映画!
でもストーリーはどうでもいいというか、スターを見るための映画です。
一応主演は浜田光夫なんですけど、もう誰が誰だか分かんないくらいにスターが次々と出てくる。
出演者を書くと、
浜田光夫、和泉雅子、克美しげる、林家こん平、戸田皓久、近藤宏、南寿美子、蕃ユミ(新人)、弘松三郎、河上喜史朗、黒田剛、高田栄子、渡辺節子、玉井謙介、柴田新三、本目雅昭、今村弘、沢美鶴、熱海弘到、池沢竜、園田健夫、吉田武史、條隼人、榊功、千波可奈子、高瀬将敏、浦辺日佐夫、清川虹子、舟木一夫、田辺昭知とザ・スパイダース、荒木一郎、ジャニーズ、黛ジュン、スタジオ№1ダンサーズ、殿岡ハツエ、岡田真澄、ザ・チェリーズ、中村八大、坂本九、石原裕次郎、小林旭、浅丘ルリ子、芦川いづみ、高橋英樹、渡哲也、松原智恵子、山本陽子、山内賢、和田浩治、川地民夫、葉山良二、小高雄二、深江章喜、郷鍈治、橘和子、太田雅子、伊藤るり子、宍戸錠、二谷英明、吉永小百合
てな具合。
もうてんこ盛り、全部乗せのモリモリで、60年代後半の空気感を、劇中でスターたちがヒット曲を歌ったりハリウッド映画の1シーンを踊ったりする姿を通して全身で味わう映画です。
個人的に新鮮だったのは、「あ、マチャアキが歌っている! 横に井上順も! かまやつひろし、昔はカッコよかったじゃん!」とか、「あおい輝彦がジャニーズだったのは聞いたことあったけど、こんな感じだったのね!」という、今活躍している俳優&タレントさんの若かりし日を発見できること。
昔ネオGS(ザ・ファントムギフト、ザ・コレクターズなど)が好きな時期があったんですが、その元祖のGS(グループサウンズ)がぞろぞろと出てきて歌う映画というのは見たことなくて。
これだけスターが出てくるということは、それぞれの見せ場はほんのちょっとずつで、その扱いも面白く、苦悩したり騒音に頭を抱えたりするシナリオライター役の渡哲也なんて「役者としてもったいない使い方だけど逆にレア」な使い方がしてあって、貴重な映画となっています。
劇中劇になっていて、第4の壁の突破というか、第3.5の壁を突破(映画の中の観客に、これは映画ですよと分からせる)している感じも。
いち早く「モダン」を日本映画にとりいれ、石原裕次郎を発掘した女優兼映画プロデューサー水の江瀧子による映画だけあって、空気感があか抜けているというか、なんだかアメリカンです。
この感じ、何かに似ているな―と思ったんですが、ハリウッド映画でいうとオールスターがアメリカ横断レースに参加するという『キャノンボール』(1981)かな。
あの映画も、酒を飲んで女性たちを引き連れながらお祭り騒ぎでレースをしているハリウッドのオールスターを見て楽しむ映画で、ストーリーとか結構どうでもいい感じですからね(笑)。
植物好きとしては、セットに飾ってある観葉植物を発見するのも楽しく、モンステラの仕立て方とか勉強になります。
何も考えずに見て聞いて楽しめる映画ですね。
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