カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『宮本武蔵』(1961年 日本)

ゴジラ』の曲?
内田吐夢監督×中村錦之助主演シリーズ第1作目

今朝の1日1映画は『宮本武蔵』(1961年 日本)を鑑賞。

吉川英治の同名長編小説を、成沢昌茂と鈴木尚也が脚色し、内田吐夢が監督した大型時代劇。

関ヶ原合戦の敗走から白鷺城天守閣幽閉までの暴れん坊時代の武蔵を描く。

巨匠・内田吐夢監督と中村錦之助主演による5作品シリーズの第1作目です。

宮本武蔵を題材にした映画は山のようにあるんですが、この中村錦之助(当時29歳)が演じる宮本武蔵は力が強く生命力にあふれて声も大きく熱い男。

元来風呂嫌いの武蔵ではありますが、逃げ回る中でさらに汚れて汗などでテカテカと黒光りしていて、暗闇ではむしろを巻いて身を隠しているんですが、隠れても隠れきれない佇まいがあって、ヌッと現れるだけで月明りに照らされ白目や肌がキラリと光り、不気味さと強さを併せ持ったものすごい存在感があります。

でも中村錦之助さんってキュートさもあって、若者の真っすぐな純粋さもにじみ出て、よきバランス。

僧侶・沢庵役の三國連太郎もかっこいい。

若造武蔵に対しての人生を説くのですが、その諭し方が腹を割ってしゃべり皮肉が効いててクールなんです。

ああいう僧侶がいたら、現代でもお寺の人気者になれそう。

お話の基本は「生きのびるために追手から逃げろ!」なんですが、そこに女性や僧侶が武蔵を助けたり、行く手を阻む形で絡んできます。

5作品シリーズなので、ラスト3分の2ぐらいで期待を持たせて途中で終わってる感じはあるんですが、展開として古典的なハリウッド映画の基本構造と似ていて、原作は未読なんですが、状況をセリフや行動で説明してくれているのもあって非常に分かりやすくて面白いですね。

最後の方はファンタジーっぽい雰囲気もあって。

他の気づきとしては、まず音楽。

派手なアクションシーンで迫力ある音楽が流れるんですが、『ゴジラ』(1954年)の曲によく似たフレーズが出てくるんです。

誰が音楽を手掛けたのかを調べてみたら、まさに『ゴジラ』の音楽を作曲した伊福部昭が担当している!

どおりで。

また音声ですが、撮影はスタジオセットがほとんどで、スタジオ撮影部分は同録されている感じなんですが、やはり大きな声を出すと、跳ね返りというか、スタジオでの響きになっていてちょっと違和感が。

小道具も、大きな石を投げるシーンがあるんですが、投げて着地するとポンポンと弾む…。

この時代、テレビが台頭していきていて、映画を低予算でいい作品をと頑張っていた頃なので、しょうがない部分はありますが、そういう部分も含めて時代を感るし、演技でカバーされているのでOKなんですけどね。

ぜひシリーズの続きも見てみたいです。

PS:大きな千年杉が出てくるんですが、ロケ地がどこか気になります…行ってみたいなぁ。

↓予告編(全5部)

 
 

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