『坊ちゃん』(1977年 日本)
画像:リンクより
熱いけど爽やか―!
夏目漱石の名作を中村雅俊主演で描いた痛快青春喜劇
今朝の1日1映画は『坊ちゃん』(1977年 日本)を鑑賞。
坊っちゃんこと近藤大助(中村雅俊)は、東京の物理学校を卒業後、中学の数学の教師として勇んで四国の愛媛県立松山中学校にやって来た。
幼い頃から、無鉄砲で負けず嫌い。
学校には説教が長い“狸”校長(大滝秀治)、キザな“赤シャツ”教頭(米倉斉加年)、教頭のたいこ持ちの“野だいこ”吉川(湯原昌幸)、精気のない“うらなり”古賀(岡本信人)、猛々しい“山嵐”堀田(地井武男)という個性あふれる面々が待ち構えていた。
生徒たちにずいぶんと手こずるが、ある日、町中で美人で才女と噂の高いマドンナ(松坂慶子)に出会う。
ある日、赤シャツが大助に、とある妙な噂を吹き込み…。
原作の精神を踏まえながら、前田陽一監督が新鮮でユニークな感覚で映像化した娯楽作。
正義感あふれる爽やかな“坊っちゃん”を当時人気絶頂の中村雅俊が好演しています。
中村雅俊さんといえば、私には歌手のイメージがあって、一度聴いたら忘れられない歌声というか、先日『蒲田行進曲』を見た日も、挿入歌の「恋人も濡れる街角」が一日中脳内でリピートしながら仕事をしていました(笑)。
これはなかなか爽やかな作品ですねー。
当時26歳の中村さん、身長が182cmあってスラッとしてらっしゃるんですが、顔は今より丸くって、可愛らしい。
当時青春ドラマの熱い教師役などで人気絶頂だっただけに、正義感が強くてとことん熱いこの坊ちゃん役もぴったりですね。
マドンナ役の松坂慶子さん、“はいからさんが通る”的な袴姿やスカイブルーで統一したモガスタイルが美しいです。
映画の展開としては、新米が新しい組織に入ってきて、その組織にある問題や人間関係を改革しようとするが…という組織もののジャンル。
出てくる人がみんな爽やか(悪い人もそこまで悪くない)で、ロケを行った松山の内子町の歴史ある路地の街並みや海のシーンが素敵で、見終わったあとにすがすがしい気分になれます。
印象的なのは音楽と構図。
タイトル曲が変拍子のホーン系で、『用心棒』のようなカッコよさ。
音楽担当を見ると佐藤勝で、まさに『用心棒』の音楽を手掛けた方でした。
あと、構図に奥行きがあって、美しい。
ゆらゆらと風で揺れる草木や花を手前に取り込み、ぼかして、暑い夏のロケですが涼しさも演出。
その他、先生それぞれのキャラクター設定も一目で分かるし、状況設定から映画の世界にすんなり入れる。
90分弱の映画で(当時は同時上映で『男はつらいよ 寅次郎と殿様』があったため)全てに無駄がない感じがします。
主人公は熱いキャラクターだけど、品があってさらっと見れる良作です。
PS:道後温泉が出てきますが、数年前に行ったら4時間待ちとかで入れませんでした(泣)。足湯だけ入って帰りました。
夏目漱石原作作品はこれらも見ました↓
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