カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』(1972年 日本)

真山知子蜷川実花の母)の覚悟を持った身体を張った演技が見事!
ダイナミックな殺陣で世界に影響を与えたアクション映画

今朝の1日1映画は『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』(1972年 日本)を鑑賞。

柳生烈堂の陰謀により一族を惨殺され、公儀反逆の汚名を着せられた拝一刀。

公儀の裁きを拒絶した一刀は、柳生の陰謀を暴き復讐せんがため、一殺・金五百両の雇われ刺客となり、その子・大五郎とともに血と屍の魔道へと踏み込んでゆく!

座頭市』『眠狂四郎』の三隅研次監督によるシリーズ第1作です。

原作は漫画で、テレビシリーズは見たことがあるんですが、テレビドラマ化の前に勝新太郎がプロデュースして映画化したのがこの作品

漫画のコマ割りのようなあらゆる角度のカット、光と影を上手く使った美しい構図がたくさんあって、「ウワッ」「ウワワッ」の連続!

ほんと魅せますねぇ。

斬りながら宙を飛んでいたり、大勢の刀に囲まれるショットなど非常に印象的なシーンに、ヌードを多用したエロ、血ドバドバや手足首が転がるグロが加わり、てんこ盛りの様相で見る者を飽きさせません。

カメラを下に上向きに置いて、レンズの上に大量の血を吐くなんていうシーン、そうそう見たことないですよ!

タランティーノ監督や園子温監督が影響を受けていること間違いなしです。

主人公・拝一刀(若山富三郎)の演技は『大菩薩峠』の机竜之助と同じく感情を排した“刀で語る”演技。

その分、個性豊かなわき役たちの演技や存在が光ります。

個人的にカッコイイ! と思ったのは、拝一刀を助ける女郎お仙(真山知子)。

セックスシーン、ヌードシーンがあり身体を張った演技を披露しているんですが、拝一刀を守るため、覚悟を持って臨むその姿は本当に説得力がある。

「てめえのへその下のせがれに聞いてみな!」

「命が惜しくて震えているときに、てめえちゃんと女を抱くことができるかい?」

前後にいろいろあってのお仙のこのセリフなんですが、一見見えない様相の中に、拝一刀にどういう心理が働いているのか、心の奥底を見抜いて代弁しているこのセリフがね、彼女がこれまでどれだけの男と共にしてきたか、女性しか分からない、人間としてのプライドと慈しみを同時に感じさせるシーンでグッとくるんですよね。

で、調べてみたら、このお仙役の真山知子さん、写真家・映画監督の蜷川実花さんのお母さまなんですね!

ちょっとびっくりなんですが、この堂々とした演技は見ごたえがあります。

子連れだけどすごいという域を超えた、映画としてあらゆる角度から見ごたえがある作品です。

↓予告編

 
 

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