『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年 アメリカ)
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昔ながらの鬼軍曹をイーストウッドが演じる
戦争アクション人間ドラマ
今朝の1日1映画は『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986年 アメリカ)を鑑賞。
生涯を海兵隊に捧げてきた軍曹ハイウェーが、小隊指揮のために帰ってきた。
だが彼の再役は、実際の戦場で活躍したことのないエリート将校たちにとっては、カンに触るものでしかなかった。
そんな彼らに戦う意味の何たるかを教え込もうとするハイウェーだったが…。
製作・監督・主演クリント・イーストウッドの戦争アクション映画です。
戦争映画で派手なアクションもあるんですが、人間ドラマ部分が効いている映画。
軍曹ハイウェーは白黒で物事を判断し、厳しく気難しい性格で周りからの嫌われ者なんですが、数々の戦争経験からとっさの判断が適格で、さらに60歳ぐらいなのに強くて無敵。
恋愛表現も不器用ですが、心は誠実。
短所を長所でカバーする1人の人間の多面性を描いていて、愛おしいキャラクターとなっています。
セリフは皮肉が随所にちりばめられ、クーッっとうならされる。
新しい環境にはなかなかなじめないけど、苦楽を共にした戦友は彼のすべてを分かっていて、気楽に接することができるところもホッとさせられます。
音楽は状況に応じた雰囲気の曲が当てられているんですが、ミュージシャンを目指す兵士が歌う曲に加え、戦争が厳しい状況の時にあえて明るい音楽を入れているシーンもあって、音楽によって場面の見え方が180度変わるというのも体験。
照明は窓から差し込むカーテン越し、ブラインド越しの光が綺麗に映っていて。
1点、屋外で早朝のシーンなのに日差し(影)が10時ぐらいの感じがあって、それはちょっとリアルではなかったかも。。
あと死んだ兵士を仰向けにする際、兵士役の人が自分の力を使って仰向けになった感じがちょっと見えたかも…。
死んだ兵士役も演じ方が大変ですね…。
すみません、ツッコミはこのくらいにして。。
しゃがれ声でボソボソとしゃべるけど力強いあのキャラクターはクリント・イーストウッドならではで、星条旗をバックに映りこむ彼の姿は、アメリカを背負っているというかアメリカの魂みたいな、存在するだけで力強い俳優なんだということもこの映画で改めて感じます。
スタイリッシュなんだけど、細かな表現の積み重ねにより人間味があふれている。
そんなじんわりと響く世界観がこの映画でも味わえます。
↓予告編