カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『緋牡丹博徒 花札勝負』(1969年 日本)

唸る構図、虜になる歌や口上。
凛とした品があるスーパーヒロイン映画

今朝の1日1映画は『緋牡丹博徒 花札勝負』(1969年 日本)を鑑賞。

緋牡丹博徒の第3弾。

明治中頃、"緋牡丹のお竜"こと女侠客・矢野竜子闇討ちで殺された父の仇を求めて賭場を流れ歩く。

名古屋の西之丸一家にたどり着いたお竜は、西之丸一家と金原一家の抗争に巻き込まれ…。

縄張りをめぐって対立する2つの博徒一家の息子と娘が恋仲という“ロミオとジュリエット"の博徒版。

加藤泰監督の演出は格調高く、傑作といわれた作品です。

お話としては、弱きを助け、悪を懲らしめる「スーパーヒーロー」の図式。

女性版なので「スーパーヒロイン」ですね。

中盤からは「スーパーヒーロー」として高倉健も参加。

流れ者の主人公たちが身の危険を顧みず、困った人を助けながら旅をします。

このシリーズの1作目、2作目を見ていなくて、この作品をいきなり見たんですが、ファーストシーンから遠近感のある超ローアングルで、ハッと言わせるつかみが。

終始に渡ってカメラはほぼ固定(1シーンだけ手持ち)、その画面の構図が素晴らしく、ローアングルでの手前、中、奥の3点配置、涙でぬれたまつ毛まで美しく見せる顔のアップ、など魅せる絵だなぁと思わされます。

また歌や口上のインパクトもすごい。

冒頭とラストで流れるテーマ曲を主役藤純子(現在の富司純子)が歌っているんですが、はっきり言って上手くはないんです。

だけど、なんか味がある。

「不器用だけどまっすぐ」という、愛される人に共通する魅力が隠れているんですよね。

また、膝を曲げて片手を差し出して自己紹介するやくざ独特の挨拶「仁義の口上」(お控えなすって~っていう文句)をするんですが、これがまたやりすぎない、でもしっかりした口上で、やくざなんだけど品があって、この人の内面の誠実さが表れている。

日本独特のドスでの喧嘩だけでなく、馬車を走らしたり、拳銃を構えたりする姿はまるで西部劇のようでもあります。

なかなかこういうやくざ映画って進んでみることはなかったですが、見てみるとキャストの佇まい、その配置、テンポ、音楽と見どころはたくさん。

他の作品も見てみたいです。

↓予告編

 
 

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