『大菩薩峠 第二部』(1958年 日本)
この性悪キャラ、「母性」目線から見たら分かる気も。
内田吐夢監督による時代劇大作3部作の第2部
今朝の1日1映画は『大菩薩峠 第二部』(1958年 日本)を鑑賞。
危うく一命を取りとめた竜之助は、大和路で出会ったお浜と瓜二つのお豊に助けられて日を送るが、夫金蔵を斬って大磯に眼を癒す。
お豊は竜之助の治療費を得るため、旗本神尾主膳に身を許し、その金を間(あい)の山のお玉に託して自ら命を絶つ。
虚無僧姿に変えた竜之助は江戸へ向い…。
昨日の続きです。
人としてまったくいいところがないこのキャラどうなの? と思った第1部。
今回は眼が見えなくなってしまった竜之助ですが、それを助ける女性がいるんですよね。
いつも女性に助けられたり、見染められたり、貢がれたりする。
性悪で悪い所ばかり気になってしまいましたが、それでも女性がいつも頼ってくるということは、どっかいいところがあるんじゃないのか、ということで考えてみました。
竜之助のいいところは、「嘘が付けない」ところだと。
食べたくなったら食べる、眠くなったら寝る、と同じ感覚で本能に従って「人が斬りたくなったら斬る」という。
それはどうなのかとは思いますが、観音様とかマリア様とかそれくらい母性の強い女性は、彼みたいな「生きるのに不器用な人」を助けたいと本能が思っちゃうんでしょうね。
それはなんか分かる気がする。
そういう「母性」の目線でみると、ちょっとこのキャラがかわいく見えてきます。
お話はいろんな人と出会いながら東海道を東に行く竜之助と、竜之助に家族を殺された兵馬とお松が彼を追うという図式で、「ダークヒーロー」ものでもありますが、「ロードムービー」的要素も。
子供や犬など、嘘を付けないキャラクターを入れ込むことによって、「犬が吠える」からここに誰かがいたり、親がシラを切るのに子供は本当のことを言ってしまったりなど、ストーリーが展開していくのも面白いです。
第三話が面白くなってきました!
↓予告編
第1部の記事はこちら↓
感結篇の記事はこちら↓