カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『ゴジラ』(1954年 日本)

Toho Company Ltd. (東宝株式会社)リンクによる

ただの怪獣映画と思ったら大間違い
「核」について考える、今見るべき映画

今朝の1日1映画は『ゴジラ』(1954年 日本)を鑑賞。

1954年の日本。

太平洋沖で船舶遭難事故が発生。

何度も行われた水爆実験によって太古の生物が目覚めて暴れたことが原因だった。

その凶暴な怪獣は、ゴジラと名付けられる。

やがてゴジラは東京を襲い始め、人間側が反撃するも成すすべがない。

一方、古生物学者の山根(志村喬)の娘・恵美子(河内桃子)とフィアンセのような関係である芹沢博士(平田昭彦)は、ある研究に没頭しており…。

東京を襲う怪獣ゴジラと人間との戦いを迫力ある特殊撮影技術によって描き出し、特撮映画の金字塔作品です。

初代ゴジラ、多分初鑑賞です。

怪獣が暴れてみんなで倒す映画と思ってたんですが、とんでもない!

人間ドラマとしてこんなに深い作品だったとは知らず失礼しました…。

テーマ、特撮、音楽、効果音…いろんな角度に興味深い要素が満載で、一言では表せないですね。

水爆実験の影響で地中の世界から人間社会に出てきたゴジラ

人間が武器を追求した結果が、人間を攻撃する怪獣となって現れるという、自分で自分の首を絞める結果になるところが、人間社会に対する“皮肉”があって、だからこそ今日まで名作として君臨し続ける映画なんだと思います。

人間による自然破壊の結果追いやられた『キングコング』や人間が生み出した怪物『フランケンシュタイン』が人間を襲うというストーリーに近い気も。

また、このゴジラでの「研究者VS核使用者」の図式を、のちの『ジュラシックパーク』では「研究者VS利権者」に置き換えて描かれている気もします。

映画の構成や技法(特撮を除く)を見てみると、構成はハリウッド映画のそのモノで、技法はズームをほとんど使わない。

カットの切り返しを多用し、時間を短縮するジャンプカット、カットつなぎはたまにクロスディゾルブ、スライドディゾルブなどで変化を付けていて、とても展開が早い。

また、レイヤーを重ねたような2重焼きで、ゴジラと街の大火、ゴジラと小学校の鳥かごのシルエットで鳥たちがゴジラを見てバタバタさわぐなどが恐怖を演出していて印象的です。

演技は感情よりもわりと説明的なんですが、やはりすごいのは古生物学者役の志村喬
ほとんど誰とも目を合わさないんです(先日見た『曾根崎心中』のお初ぐらい)。

暴れるゴジラを倒そうと攻撃する自衛隊などに対して、水爆を受けてもなお生き続けている貴重な研究資料であるゴジラを失いたくないと胸を痛めます。

その思い悩む姿を、黙って一点を見つめる演技で表現していて、その葛藤を思うと心に響くんですよね。

今戦争が起こっているさなか「核」というワードがちらつき、抑止力としての核と最後の切り札として使用する核など、まさに目の当たりしていますが、この映画ではそれを実践するとこうなりますよ、と表している。

毒を以て毒を制す。

これには際限がないことを考えさせられます。

今見るべき映画とも言えますね。

PS:数年前、水爆実験の被害にあった「第五福竜丸」の現物が展示してある「都立第五福竜丸展示館」(東京都江東区夢の島2丁目1-1)に行ったことがあります。物言わぬ船から水爆の恐ろしさを感じ取れます。

↓予告編

 
 

 

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