『キング・コング』(1933年 アメリカ)
By Unknown author - Here, Public Domain,
特撮映画の傑作には、傑作たる要素が詰まってます。
今朝の1日1映画は『キング・コング』(1933年 アメリカ)を鑑賞。
絶海の孤島と大都会ニューヨークを舞台に巨大な怪獣キング・コングをめぐる騒動を描き、特撮映画の原点となった古典的名作。
映画監督デナムは無名の新人女優アンを新作の主演に抜擢し、撮影クルーを連れて南海の孤島へやって来る。
そこには、島民たちから神と崇められる巨大な怪獣コングがいた。
島民たちはコングへの生贄にするためにアンを連れ去り、デナムたちは島の奥へと救出に向かうが……。
エンパイアステートビルのてっぺんで暴れるキング・コング、ぐらいしか知らず鑑賞。
映画を見ると、前半にはちゃんとしたストーリーがあることを知りました。
構成としては、わりと前半から「巨大怪物から逃げろ!」という図式があり、キング・コングだけでなく、いろんな怪物が出てくる。
一難去ってまた一難という、モンスター映画としてのドキドキの展開がいろんなパターンで出てきて楽しめます。
技法としては、「ストップモーション・アニメーション」と人間の演技の合成技術はただただ圧巻。
迫力ある映像に、見せる編集も加わり、この時代にこれだけ駆使された技術が完成されていたことに感動です。
また、「強制遠近法」もすごい。
目の錯覚を利用して、実際には存在しないものを存在しているかのように見せる技術です。
実際の飛行機映像と、ミニチュアの飛行機映像をあたかも同じ飛行機のように見せています。
キング・コングの顔も、結構かわいい表情をしていて憎めない。
ただの怖い怪獣ではなく、人間の顔に近いデザインがしてあり、野獣としての哀しみみたいなものが伝わってくるんですよね。
密林=地上&未開の地の原始的社会から、エンパイアステートビル=超高層&文明の象徴という、上下の高低差+人間社会の差が描かれていて、鑑賞者の緊張感や高揚感を高め、かつ世界の縮図ともなっている。
映画として最高の部類だと感じます。
1930年代前半という、世界恐慌の時期に作られている映画で、女性が経済不安の中にあることも伝わってきます。
美女と野獣の物語はたくさんありますが、いろんな要素を入れ込んである、やっぱりすごい映画です。
↓予告編