『レベッカ』(1940年 アメリカ)
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『市民ケーン』と似てるシーンも。
ヒッチコックのアカデミー賞作品賞のロマンチック・サイコスリラー
今朝の1日1映画は『レベッカ』(1940年 アメリカ)を鑑賞。
J・フォンテイン演じる“わたし”が、リビエラ旅行中に英国紳士マキシムと出会い、彼の後妻としてイギリスの屋敷にやってくる。
だがその屋敷では、マキシムの死んだ前妻レベッカの、見えない影が全てを支配していた……。
鬼才アルフレッド・ヒッチコックが「風と共に去りぬ」で知られる名プロデューサー、デビッド・O・セルズニックに招かれ製作した、アメリカ進出初作品です。
ヒッチコック監督作品の中でもかなり完成度が高いと言われているこの作品。
前半は甘い恋愛ドラマで、きらびやかで感情を彩る音楽がずっと流れていて、軽やか。
前半だけ見ていると、ヒッチコックという感じがしないんですが、後半にサイコスリラーの世界に早変わりしていきます。
いつの間にか主人公の後ろに立っている無表情で怖いメイド、蜘蛛の巣の張った家に住む使用人の男の怪しい存在感はまさにスリラー。
窓から入ってくる元妻のいとこ、会計士なんかが絡んでくる恋愛をめぐるいざこざなんかがサイコサスペンスの様相。
冒頭のセットアップ(状況説明)からナチュラルなセリフにグイッと映画の世界に引きずり込まれ、いつの間にかこの映画の主人公に共感し、映画という約2時間の旅を主人公のように楽しめる推進力に驚かせられます。
気づいたのは、『市民ケーン』を彷彿とさせるシーンが多々あるんですよね。
大豪邸、過去へのこだわり、セットとシーンの見せ方、小道具までも。
こちらの方が1年早い公開なので、この映画が『市民ケーン』に影響を与えたのかもしれません。
お話の切り口が違うので、まったく別物として楽しめますけどね。
死別した男性の後妻の気持ちがとことん分かる、いろんな要素が盛り込まれた、1本で数本分楽しめる映画です。
↓予告編