『ユリシーズ』(1954年 イタリア・アメリカ・フランス)
ANSA - リンクによる
特撮シーンが面白い。
叙事詩「オデュッセイア」基にしたファンタジーアドベンチャー!
今朝の1日1映画は『ユリシーズ』(1954年 イタリア・アメリカ・フランス)を鑑賞。
10年間続いたトロイ戦役は終わり、勝利したギリシャ軍は凱旋の途についた。
しかし、木馬作戦を発案しトロイを陥落させたイタカ国の主、智将ユリシーズ(カーク・ダグラス)は、部下とともに故郷へ向かう途中に、海神ポセイドンの怒りにふれて暴風雨に会い、見知らぬ国に漂着してしまう。
唯一人、生き残ったユリシーズは、すべての記憶を喪失してしまうが…。
古代ギリシャの作家ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」を基にした1954年のファンタジーアドベンチャー映画です。
いやーこれは面白いですね!
昔の人の話は、みんな~ウス、~ロス、など名前が似ていて誰が誰なんだか分からなくなるので難しい…というイメージがあるんですが、この映画は超分かりやすい!
で、ベタ&オツな面白さがある。
「愛する人を守る」や「神様のおかげ」など、ベースとなるストーリーラインが本能的&原始的な部分を押さえてある安心感。
日本のTV時代劇『水戸黄門』はこの話がベースじゃないの? と思えるような展開も、はい、面白い。
個人的に一番ワォ!と思ったのは特撮シーン。
映画中盤に出てくるんですが、大男との対決シーンが、当時の巨大セットを駆使していたり、カットバックや影で大男の存在を大きく見せるなど、派手な演出はないけど知恵と工夫が詰まっていて、もうなんだかスタッフさんの一生懸命な姿が想像できて愛おしいんです。
その他、ワインを製造して大男に飲ますシーンなんか、ユリシーズ&戦士たちが足でぐっちゃぐちゃにぶどうを踏みつぶしてワインを作り、そのまま飲ませるという…。
飲まされる方もたまらんし、それは発酵前のぶどうジュースじゃん! という心の中でのツッコミも入れつつ見るのが楽しくて。
衣装が豪華絢爛なんですが、女性はちょっとロリータ系で身体の線が強調されたかわいい&セクシー系なんですが、男性も女性のような長髪の縦ロールのヘアスタイルにスクエアネックのドレスっぽい服を着ている人もいて、ちょっとオネエ系なんですよね。
それもちょっと面白いです。
撮影は地中海、鎧や武器はローマ、ナポリ、アテネの美術館から借りるなど、結構本格的。
映画はイタリア語版と英語版の両方でリリースされて、カーク・ダグラスとアンソニー・クインは英語版に自分の声を吹き替えています。
技術的には前半は舞台のようなカメラワークなんですが、2つの場面が行ったり来たりして展開し、中盤からは映画ならではの盛り上がりが。
映像はめちゃくちゃきれいだし、美男美女がたくさん出てきて冒険を繰り広げるので、史実系映画ではありますが、何も考えずエンターテインメントとして見れる楽しい映画です。
↓予告編