『007/ゴールドフィンガー』(1964年 アメリカ)
ボンド映画のスタイルが確立された
面白さてんこ盛りのスパイ・アクション!
今朝の1日1映画は『007/ゴールドフィンガー』(1964年 アメリカ)を鑑賞。
英国の金が裏ルートで大量に国外に流出しているという情報をキャッチ。
ボンドは、その犯人と目される億万長者のゴールドフィンガーとの対決を命令された。
ゴールドフィンガーのやるインチキな賭博を見破ったボンドは彼に接近するが、用心棒に打ちのめされ…。
映画史にもその名を残すアクション・エンターテイメント大作です。
007、まだそんなに見ていない初心者なんですが、この作品はいろんな要素が盛り盛りで、面白ポイントがたくさんありますね!
まずオープニングのタイトルクレジット。
「凝ったタイトルの映画は、必ずと言っていいほど面白い」という私見がありまして、これまで観てきたエンターテイメント作品のみならず、独立系映画であっても、タイトルクレジット映像が凝っている作品は裏切らないです。
本編以外の手を抜きがちなところまできっちり作りこむという姿勢が、映画自体の質を物語っているんですよね。
007おなじみの銃口からこちらを向かって撃つシルエットのみならず、金粉で塗られたボンドガールの身体に映画のシーンとタイトルクレジットを投影するという、今で言うと「プロジェクションマッピング」風の映像が使われていて、めちゃくちゃカッコイイ!
次に、面白スパイグッズや小道具、大がかりな装置。
「このボタンを押すとこうなります」みたいな、セリフの内容が分からなくても見た目で子供でも分かるワクワクした仕掛けがたくさん仕込まれていて、大人でも面白すぎなんですよね。
これを子供の頃に見た人の中にはきっと今頃スパイとして活動している人もいるんでしょうね。
それからボンドガールや中国人や韓国人。
最初から美女が次々と出てきて、この人がボンドガール? 次の人? あれ、また美女が? と途切れない…。
中盤に出てきた人がやっとボンドガールと分かったんですけどね。
シルクハットが武器の怪力韓国人役のハロルド坂田は日系のプロレスラーでびっくり。
それから何と言っても音楽。
あの怪しくて迫力のあるホーンセクションが印象的なテーマ曲が要所要所で効果的に使われて、テンポを作っています。
でもラストシーンのボンドがやられそうな時は、一切音楽がなく、シーンと静まり返った金庫内で、足音や息遣いの状況音がクローズアップされていて、これがまた緊張感を生み出しているんですよね。
音楽の緩急の付け方を学びました。
その他技法では、スパイ映画だけに、背後に潜む影をズームアウトによって見せる手法。しかも2段階ズームアウトも効果的に使用されていて、悪い奴にはさらに悪い奴がいて、背後から狙われている様子をあおっています。
金塊をただ盗むだけではなく、どうしたら金塊の価格が上がるかという価格操作をするための仕掛けもあり(もうプーチンかっていうくらいむちゃくちゃなんですけども…あ、プーチンも元スパイだった…)それも映画としては破壊級な悪知恵です。
ラストのラストまで展開がある、スパイ映画の楽しさを詰め込んだ名作です。
↓予告編