カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『ゴールド・ディガース』(1933年 アメリカ)

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光る楽器に歩く歩道…当時の舞台技術に驚き!
コロナ禍の今見るべきミュージカル映画

今朝の1日1映画は『ゴールド・ディガース』(1933年 アメリカ)を鑑賞。

大恐慌からまだ立ち上がれない1930年初頭。

ブロードウェイのミュージカルショーの劇場は資金が底をつき、ポリー、キャロル、トリクシーなどのコーラス・ガールたちも仕事がなくなる。

ある日、コーラス・ガール達の家の隣に住む作曲家ブラッドから、資金提供の提案が。
プロデューサーは彼の才能に惚れ込み作曲&主役で抜擢。

資金も舞い込みポリーとブラッドが主役の舞台は無事幕を開ける。

そのうちポリーとブラッドは恋仲に。

ブラッドの兄と弁護士が、ショーガールとの結婚は家族として受け入れられないと彼らの仲を引き裂こうとするが…。

いやー、この映画、すごいですね。

1933年公開って、日本では昭和8年日中戦争、「蟹工船」の時代ですよ。

そんな辛い時期に、アメリカではこんなに華やかなミュージカルが作られていたっていうことに驚きです。

大恐慌ということで、不況には間違いなく、タイトルの『ゴールド・ディガース』も"金鉱掘り"から転じて「金目当ての女」という意味で、日本で言うと玉の輿的な感じ。

男性優位の時代、女性たちは生きていくために男性を手玉にとっていくんですが、その作戦が面白く、二転三転するストーリーに華やかなミュージカルシーンが加わり、元気がでます。

しかも、内容がコミカルで壮麗。

子役上がりの上から目線の俳優(坂〇忍的 笑)、警官演じて25年の俳優、赤ちゃん役の子供のちょっとエッチなニヤニヤ顔の演出など、コントかっていうくらい笑えます。

ミュージカルシーンはクレーンを使って真上から撮っていて、ダンサーたちのきらびやかな衣装が揺れ、息をのむような美しさ。

ミュージカルシーケンスを担当したバスビー・バークレーは、「観客を楽しませる唯一の方法は、カメラの“目”を通して見せることだと気づきました」と語っています。

しかもネオンを仕込んだ「光るバイオリン」や、舞台上にベルトコンベヤーを2連設置し、キャストが交互に列をなし「歩く歩道」の演出も。

いやー、今はLEDの電飾をつけて暗闇で踊るダンサーがいますけど、この時代にすでに同じような発想で演出し、その技術を持っていたというのが驚きです。

またそれら群舞が違う形に変化する、ある意味マスゲーム的な演出も。

古い映画って、いつも新しい要素を教えてくれる要素が詰まっていて、飽きないですね。

この映画、ぜひ地元ミュージカル劇団で舞台化してほしいなぁ(切望)。

↓予告編

 
 

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