カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『未知との遭遇 ファイナル・カット版』(1977年 アメリカ)

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子供のような主人公と一緒に夢みる2時間17分。

今朝の1日1映画は『未知との遭遇 ファイナル・カット版』(1977年 アメリカ)を鑑賞。

電気技師のロイ(リチャード・ドレイファス)は、町の停電を調べている際にUFOと遭遇。

やがて彼は、その光の虜となり、会社を首になり妻子に見放されながらも、光を追いかけていく。

そしてついにたどり着いた先で、彼が見たものとは…。

スティーヴン・スピルバーグ監督が、宇宙人と地球人との接触をテーマに描いたSF映画史上に残る大傑作です。

大昔に見たかもしれないんですが、記憶にないのでほぼ初見です。

壮大ですね。

ポスターなどのイメージが、宇宙船がドーンと大きく載っていて、2001年宇宙の旅のような抽象的な話かと思っていたら、全然違いました。

非常に分かりやすいストーリーで。

個人的には

「ロマン(夢や冒険への憧れ)」

「コミュニケーション(音楽)」

「再会(ファンタジー)」

の3点に注目しました。

まず、「ロマン(夢や冒険への憧れ)」。

主人公ロイには、「道で出会った光の正体を突き止めたい!」っていうものすごい強い思いがあり、その思いに取りつかれてしまい、部屋に土で山を作ったり、シャワーを服のまま浴びたりという、ちょっと気がおかしくなったかのような行動をします。

「一見バカなことでも視点を変えれば正しいと分かる」というロイ。

目をキラキラ輝かせながら行う数々の行動はまるで子供のよう。

妻やご近所さんは彼の行動についていけなくなるんですが、夢を追求できる人が世の中を変える。

まるでスピルバーグ自身のような、夢をとことん追求する主人公の姿に、いい意味でのロマンを感じるんですよね。

それから「コミュニケーション(音楽)」。

テーマとしては、宇宙とのコミュニティーだったり、ユダヤ教キリスト教の「十戒」を象徴的に入れ込んでいたりしますが、個人的に注目したのはコミュニケーションとしての「音楽」。

言葉が通じない人や生命体と、どうやってコミュニケーションを図るか。

フランス人UFO学者(フランソワ・トリュフォー監督が演じています)とは、通訳をはさむことでコミュニケーションを取り、宇宙人とは光の色と5音(シ・ド・ラ・ド・ソ)と手話を使ってコミュニケーションを図ります。

ジョン・ウィリアムズによって作曲されたこの印象的な5音。

今でも宇宙人の場面にはよく使われますが、西洋の基本は「ドレミファソラシ」の7音です。

スピルバーグは「必要なのは文法を伴わない“シンプルさ”。そのためには5音がベストなんだ」と、あらゆる組み合わせのメロディーからこの5音にしたそう

日本では「ドレミソラ」の5音(ヨナ抜き)の音階が昔から一般的で、星野源「恋」や初音ミク「千本桜」など今でも大ヒット作は5音で展開される曲が多い。

歴史的、世界的に見ても「5音」には、人々の心をつかむ原始的な魅力が潜んでいるんでしょうね。

そして「再会(ファンタジー)」。

感動のフィナーレですよね。

スピルバーグの両親は離婚していて、寂しい子供時代を過ごしていたそうで、寂しさを紛らわすためにしていた空想からSFに興味を持つようになったというエピソードが。

ネタバレになるので具体的には書きませんが、行方不明になった人に会いたい、両親と再会したいという思いが示唆されるようなシーンとなっていて、感動です。

視覚効果としては70mmフィルムで撮影されたシーケンス。

大きな宇宙船のシーンは人間と対比的に描かれ、宇宙船が偉大な存在に、人間がちっぽけな存在に。

ロングショットにより、見る者を凌駕するような圧倒的な大きさが表現されていて、映画館でこの宇宙船を見てみたかったです。

「人は信じたがるものです。テレパシーやタイムトラベル、不老不死やサンタクロースを」というセリフが。

スピルバーグはその夢を2時間17分の間届けてくれる、我々にとってのサンタクロースなのかもしれませんね。

↓予告編

 
 

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