カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『ピアノ・レッスン』(1993年 オーストラリア)

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「聞く価値のあるおしゃべりは少ない」(映画より)
カンヌ国際映画祭パルムドールに輝く“愛の音色”

今朝の1日1映画は「ピアノ・レッスン」(1993年 オーストラリア)を鑑賞。

監督ジェーン・カンピオンの名を一躍有名にしたヒット作。

19世紀の半ば、スコットランドからニュージーランドへ写真結婚で嫁ぐエイダ(ホリー・ハンター)。

娘のフロラと一台のピアノとともに小舟に揺られて上陸する。

エイダは6歳の時から口がきけず、ピアノが彼女の言葉だった。

夫のスチュアート(サム・ニール)はそのピアノを重すぎると浜辺に置き去りにし、原住民に同化している男ベインズ(ハーベイ・カイテル)の土地と交換してしまう。

ベインズはエイダに“ピアノ・レッスン”をしてくれればピアノを返すというが……。

カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を受賞、アカデミー賞ではハンターとパキンがオスカーを、カンピオンが脚本賞をそれぞれ受賞しています。

いやー、壮絶な恋愛ドラマですね。

公開当初、劇場で見てるんですが、すっかり忘れていました。。

失語症になっている主人公エイダが愛してやまないピアノ。

この映画の魅力は、ピアノという無生物である楽器が、しゃべれない主人公の心情を表す代弁者として存在しているところです。

ピアノ=エイダ自身であり一心同体なので、ピアノをどう扱われるかが、エイダに影響していきます。

ピアノを大事にしない夫。

一方、ピアノをきちんと扱うべインズ。

いろんな駆け引きがあるとはいえ、エイダの心がどっちに向くかを決定づけていきます。

官能的な話で、女性監督だけに、恋をした時の女性の行動や表情などの演出が非常にリアル。

アニメーションがあったり、子供の発表会では伏線ともなるちょっとグロい独特の世界観が展開されたりと、要所要所でハッとさせられるシーンもあります。

個人的にびっくりなのは、娘役のアンナ・パキンの演技がものすごくうまいこと!

彼女の役は、この映画のストーリーを明確にするための案内役、いわゆる「狂言回し」として機能しています。

アカデミー賞史上2番目の若さとなる11歳で助演女優賞を受賞しただけありますね。

ラストのフィナーレ部分もハラハラする展開で最後まで持っていかれます。

本能的な愛を描いた素敵な映画ですね。

↓予告編

 
 

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