「ロブスター」(2015年 ギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリス合作)
独身者は動物に!
独創的な世界観に身を任せる2時間
今朝の1日1映画は「ロブスター」(2015年 ギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリス合作)を鑑賞。
“独身者”は、身柄を確保されホテルに送られる。
そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる。
そんな時代、独り身になったデヴィッドもホテルに送られ、パートナーを探すことに。
しかしそこには狂気の日常が潜んでいた…。
ギリシャのヨルゴス・ランティモス監督が、コリン・ファレル、レイチェル・ワイズら豪華キャストを迎えて手がけた、自身初の英語作品。
2015年・第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しています。
なんかすごいです。
一種のデスゲームみたいなもんなんですけど、よくあるものとはまったく違う世界観があって、とてもシュール。
普通だったら危機的状況に巻き込まれる人がいて、その危機に巻き込まれないように必死で逃げたりするんですが、この映画はそういう状況が普通にルールとしてあり、それらに従っているので、非常に淡々としています。
だけどそのルールに静かに反抗していく人が現れて。
映画の空気観っていうのが本当に独特で、音楽もクラシックとサスペンスっぽいものも。
スローモーションシーンはコメディの要素もあるし。
動物の死骸や血などのグロい表現もあります。
そんな感じではありますが、隣に誰かがいることの幸せや、一人で生きていくということとは? 自己愛とは何か? などを考えさせられるような内容にはなっています。
技術的には、冒頭のシーンでパンが使われるんですが、これが非常に映画の「つかみ」として有効な使い方なんです。
非常にショッキングで。
個人的には現代美術作家のマシュー・バーニーの不条理で重層的な映像作品「クレマスター」シリーズを彷彿とさせると思いました。
うまく表現できないけど、なんか好きです。
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