『オリバー・ツイスト』(1948年 イギリス)
By Charles Dicken's - This image was retrieved from the internet., Fair use, Link
こんな街並みに行ってみたい!
孤児院育ちの少年の数奇な運命を描く。
今朝の1日1映画は『オリバー・ツイスト』(1948年 イギリス)を鑑賞。
ロンドンから遠く離れた貧 民救済所で、母親の命と引き替えに生まれ落ちたオリバー(ジョン・ハワード・デイヴィス)。
引き取られた孤児院で虐待を受けながらも、なんとか生き延びる。
9才になった彼は再び貧民救済所に戻るが、そこでもやはり過酷でひもじい暮らしが待っていた。
ある晩、 ついにそこを脱出したオリバーはロンドンでジャックという少年と出会う。
ジャックはオリバーに一晩の宿を貸してくれる老人(アレック・ギネス)を紹介。
だが、その老人は少年窃盗団の元締めで、ジャックもスリ集団の一味だった…。
孤児オリヴァーが様々な困苦にもめげず成長する姿を描くチャールズ・ディケンズの小説を、デヴィッド・リーンが監督し映画化した作品です。
印象としては、モノクロのコントラストが非常に濃くて、脳内でカラーに変換できないくらい独特の世界観が。
街もレンガ造りの建物が入り組んでいて、狭い坂道と階段が続き、水路がのような川があって。
まるでエッシャーのだまし絵の世界に入り込んだような錯覚を覚えます。
屋外ロケなのか屋内セットなのか不明なんですが、こんな街並みが今も現存するならばぜひ行ってみたい!
お話は、孤児オリバーがいろんな人たちに出会っていろんな事が起こるんですが、一少年の成長物語というにはちょっと違っている感じが。
「悪い奴から逃げろ!」という分かりやすい部分に加え、登場人物が多いので複雑性があって、主人公の周りの人たちによる駆け引きやサスペンスなどの出来事も同時に描いてあります。
主人公のジョン・ハワード・デイヴィス君がなんとなく『ホームアローン』の主人公のマコーレ・カルキン君と似ているので、つい主人公が主体的に頑張る物語だと思って見てしまうんですが、どちらかというと巻き込まれ系かな。
主人公に共感して応援するというよりも、次に何が起こるんだろうというハラハラするようなスリルを味わう系という気がします。
大人のキャラクターが特徴的で、特に鼻の大きなフェイギンはユダヤ人の描写として反ユダヤ主義ととらえられたため、国によっては上映禁止もあったそう。
テリア系のぶちのあるワンちゃんの迫真の演技も素晴らしいです。
カメラワークは人物を追うトラッキングショットから子供の目線カメラ、斜め構図など結構駆使されていて、この時代としては結構見ごたえが。
音楽も『ハリー・ポッター』などのアドベンチャー映画に通じる、場面を盛り上げる効果的な音楽が使われていて、この時代にはもうある意味完成されていたんだなと感じます。
不思議な世界観が漂う映画ですね。
いつもご覧いただきありがとうございます♪
にほんブログ村参加中