「狩人の夜」(1955年 アメリカ)
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金の在り処は? アイツから逃げろ!
近年再評価されたカルト映画
今朝の1日1映画は「狩人の夜」(1955年 アメリカ)を鑑賞。
銀行強盗を企てた男が、大金の場所を告げぬまま死刑に。
男の残した金を狙うハリーは伝道師を装い、未亡人となった男の妻・ウィラと結婚するが…。
狂信者に命をつけ狙われる幼い兄妹の恐怖を描くサスペンス映画です。
前知識なく見たんですが、面白い!
サスペンスといっても、犯人を捜したり、事件の謎を解くタイプではなく、「悪い奴から逃げろ!」というホラー的要素も強いです。
といっても単純なホラーではなく、前半・中盤・後半で、ストーリーや登場人物が変化しながら展開。
軸となる要素を最後まで引っ張りつつ、その軸のストーリーに関わってくる人々を伏線を絡ませながら描いてあり、結構見ごたえあります。
にもかかわらず、公開当初は興行的にも批評的にも失敗。
時代的にシネマスコープで撮影されたカラー映画が増えつつある中、スタンダードサイズの白黒映画ということで、時代に取り残され、埋もれてしまった感が。
俳優出身の監督チャールズ・ロートンはこれ1本で撮るのをやめてしまい、最初で最後の作品となりました。
再評価されだしたのは90年代。
監督の死後30年くらいたって再評価され、今はカルト映画として人気だそうで…まるでゴッホみたいですね。。
子供の心の揺れ動き、幻想的な絵作り、キリスト教の聖書の教えの伏線、女性の感、当時としては斬新なタトゥーを用いた演出など、ドキドキする要素やハッとする場面がたくさん詰まったこの映画。
技術的には「キアロスクーロ」という光と影を強調したスタイルで、悪の緊張感の雰囲気を作り上げている場面が多くあります。
「キアロスクーロ」は、この映画で採用して以来、のちの映画に多く使われるようになり、あの「ゴッドファーザー」でも採用。
あらゆる要素がのちの映画制作に影響を及ぼしているんですね。
この映画で悪役の演技が評価されたロバート・ミッチャムは『ザ・ヤクザ』(1975年)で高倉健と共演。
そちらも見てみたいです。
PS:ハリーの両手の指に刻まれた「LOVE & HATE」のタトゥーは、のちにスパイク・リーの監督作『ドゥ・ザ・ライト・シング』などに引用されています。
↓予告編
↓U-NEXTで見ました。
アマゾンプライムビデオには現在ないです。
↓ブルーレイはこちら