「黒い罠」(1958年 アメリカ)
By "Copyright 1958 Link
4分の長回しシーンは圧巻。
光と影の演出が見事なフィルム・ノワール。
今朝の1日1映画は「黒い罠」(1958年 アメリカ)を鑑賞。
メキシコ国境の小さな町で起こった車の爆殺事件。
偶然にも現場を目撃したメキシコ政府の特別犯罪調査官ヴァルガスは事件の捜査に乗り出すが、アメリカ側の担当者であるクインラン警部はヴァルガスの介入を露骨に拒否。
だが上司の命令で、クインランはやむなくヴァルガスと共同捜査を開始する……。
国境の町に拡がる陰謀を描いたホイット・マスタースンのミステリ小説を、オーソン・ウェルズが脚色・監督したカルト的人気を誇る映画。
映画のストーリーはミステリーでちょっと難解。
でも見始めておっ!唸ったのが圧巻のオープニング。
1カットが4分もある長回しなんですが、クレーンを使ってカメラが上→下、右→左、後ろ→前に動いていき、あらゆる人物、車などを横から後ろから登場させていくその手法。
ヒッチコックの「裏窓」と同じような演劇的な手法で、タイミングよくリアルタイムにフレームの中で展開していく物事にちょっと感動を覚えます。
それから「キアロスクーロ」というライティング方法。
光を顔全体に当てるのではなく、わざと半分影にしたり、明るい→暗いの緩やかな点滅を繰り返すような照明方法にしてあったりと独特。
光と影のコントラストを強くして、明暗をはっきりと区別することによって、善意と悪意がはびこる環境を演出しています。
オーソン・ウェルズの映画人としての美学がとことん詰まっているこの映画。
もう1回見直して、お話の方も楽しみたいと思います。
↓予告編
↓U-NEXTで見ました。
アマゾンプライムビデオは今ところないです…。
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