『ハンガー・ゲーム』(2014年 アメリカ)
まさに戦争の縮図ともいえる
サバイバル・ヒロイン・アクション。
今朝の1日1映画は『ハンガー・ゲーム』(2014年 アメリカ)を鑑賞。
権利者は、12の地区から若い男女ひとりずつを選出し、<ハンガーゲーム>というイベントを実施していた。
全国のテレビ中継されるその競技は、24人のプレイヤーが闘技場に投げ出され、最後のひとりになるまで戦う究極のサバイバル・ゲーム。
幼い妹の代わりとして第12地区の代表に自ら志願したカットニスは、同郷のピータとともに人生のすべてを懸けた戦いに身を投じていく…。
アメリカの人気ヤングアダルト小説を映画化したサバイバル・アクションです。
若者たちが独裁者やスポンサーの指示によって殺し合いをするというデスゲームで、映画としてスリルはあるんですが、設定としては非常に理不尽。
ですが、この理不尽さは、古代にコロッセオなどで繰り広げられていた決闘や、今まさに、国境を隔てているとはいえほぼ同じ民族の若い兵士同士が戦っているロシアとウクライナなど、権力者に翻弄される若者の「縮図」のようでもあり、皮肉的に見ればかなり考えさせられる内容ではあります。
主人公の女性カットニス(ジェニファー・ローレンス)は正義感が強く、依存的ではなく、自ら進んでいくアクティブさを持っていて、こういう世界にはぴったり。
あらゆる困難を潜り抜けていく様は、見ていてハラハラドキドキさせられます。
映画はデジタルではなくフィルムで撮影。
技法としては、命を懸けて戦う緊張感を全面に押し出すために、手持ちカメラの手ブレによる不安な心模様を表現したショット、1カット1秒から5秒の高速カット割りによるスピード感のある編集、アップが多く、目線や口元のちょっとした動きを逃さずキャストの気持ちを汲み取り伝えるショット、自然光をうまく取り入れ若者のキラキラした希望的な雰囲気を演出、など。
衣装やメイクは、民衆は1950年代採炭の白や茶の無彩色イメージ、権力者は眉なし、白塗り、きらびやかでフリルや花のついた派手な洋装と対照的です。
ラストは、続きがあるような余韻で終わっているので、調べたら2や3があるんですね。
娯楽大作だけど考えさせられる、余韻のある映画です。
↓予告編