カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

「プレシャス」 (2009年 アメリカ)

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自分の父の子を身ごもってしまった
16歳の太っちょでちっぽけな少女の物語

今朝の1日1映画は「プレシャス」 (2009年 アメリカ)を鑑賞。

ハーレムを舞台に、過酷な運命を生きる16歳のアフリカ系アメリカ人少女、クレアリース“プレシャス”ジョーンズの人生を描く人間ドラマ。

実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。

悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカーマライア・キャリー)らの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。

非常に重いテーマの映画です。

だけど雰囲気として、そこまで重い感じには描かれていない。

主人公の女の子の体型がふくよかで、それだけでコミカルさがあり、何かあたたかい気分にさせてくれるのと、彼女の記憶や妄想が所々にインサートされ、記憶は辛い体験ですが、妄想はそれをかき消すように楽しい場面が展開します。

音楽も割とポップ。

彼女の過酷な現状に、フリースクールやカウンセラーが寄り添い、希望を見出していくんですが、その寄り添い方もホット過ぎず、ある程度距離を持ちつつ、生徒に自分で考えて結論を出させるような非常に良い距離感です。

なんとそのカウンセラー役がマライア・キャリーだったそうなんですが、ほぼノーメークで、私は全く気づきませんでした…(メイクってすごい)。

こういった「負の連鎖」をどうやって断ち切るのか。

重い課題はありますが、まず環境を変えること、そのための第一歩を踏み出すことが大事だということをこの映画は教えてくれます。

キャストで見事だったのは、母親役のモニーク。

自分の夫や恋人を実の娘に取られたことにより嫉妬を爆発させたり、仕事をせずに生活保護をもらうため娘が生んだ子供を利用するなど、複雑な心理を表現しないといけない役ですが、非常に心に響く演技で。

彼女自身、幼い時に兄に性的いたずらを受けていたことがあり、親や救ってくれなかった経験があり、その体験を映画に反映することで、より多くの人に家庭での虐待について知ってもらうことができればという思いで出演したそう。

モニークの演技は、批評家から大絶賛され、ゴールデングローブ賞、アカデミー助演女優賞をはじめ2009年における数々の映画賞をほとんど獲得。

勇気がもらえて希望が見いだせる、素敵な映画です。

↓予告編

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