「北北西に進路を取れ」(1959年 アメリカ)
注目は空間の演出力。
ガクブルの高低差。
今朝の1日1映画は「北北西に進路を取れ」(1959年 アメリカ)を鑑賞。
そのタイトルから、戦争映画だと思ってたんですが、全く違ってました。
監督はサスペンスの巨匠、ヒッチコックです。
広告マンが人間違いで連れ去られ、謎の組織から追われる羽目に…。
拉致や、謎の美女からの誘惑、殺人まで、思わぬ事件に巻き込まれていきます。
トリックに次ぐトリックや、ハラハラドキドキするようなシーンはもちろん見どころなんですが、個人的に注目したのは、シーンの空間演出や高低移動。
冒頭は、ビルや住宅など、街中でのシーンが主。
主人公の人間関係を描き、見た目の空間は狭いです。
列車の中で、美女に出会う。
寝台車で、ある意味密室だけに、ロマンスが起こりそうな空間です。
中盤、だだっ広いとうもろこし畑のバス停にポツンと立つ主人公に命の危機が!
広い空間に1人という不安な状態に、見ている方も不安が高まります。
エンディングになるに従い、標高が高い山へ。
物理的に高い所で緊張感あふれるシーンが繰り広げられると、観客の感情も高まりやすい。
と、映画全編においての空間演出が、観客の心理状態を操作するようにできていて、これぞヒッチコックの名作というだけあるなぁと感心しました。
もし見ることがあったら、監督の空間演出を体感してみてはいかがでしょうか^_^