カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

「グランド・マスター」(2012年 香港・中国)

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見終わってからじわじわ来ます

中国拳法の中でも有名な詠春拳の達人にして、ブルース・リーの師匠としても知られる実在の武術家イップ・マンが織り成す激闘の数々を活写する。イップ・マンにふんする『レッドクリフ』シリーズのトニー・レオンを筆頭に、チャン・ツィイー、チェン・チェンといった中国圏の実力派スターが結集。ウォン・カーウァイ監督ならではの映像美がさく裂する格闘描写にも目を見張る。(シネマトゥデイ

ブエノスアイレス」「花様年華」のウォン・カーウァイ監督が初めてカンフーを題材に取り上げ、ブルース・リーの師匠としても知られる伝説の武術家イップ・マンの物語を描いた作品。

先日「イップマン 序章」を見たので、比較してしまうんですが、アクションを期待して見ると、「イップマン 序章」主演のドニー・イェンに軍配が上がるし、登場人物にいろんなタイプの人がいてストーリーに家族愛や友情など人間ドラマが最初から織り込んであって非常に分かりやすく共感しやすい。

一方「グランド・マスター」は、武術界の後継者争いという狭い社会に焦点を当てていて、人間ドラマ部分が排除され、逆に衣装や背景の色彩、天候や光の色合い、スローモーションや顔のアップなどを多用した映像美が見どころ。

それだけでは物足りないなと思いながら見進めていくと、やっと残り30分ぐらいでウォン・カーウァイ好きには「待ってました!」と言わんばかりの村上春樹的な浮遊感漂うセリフの心の交流が描かれて、エンディング間際にちょっとしたセットアップ(登場人物説明)が来る。

そう、映画の構成が逆なんですよ。「カメラを止めるな!」の、前半よく分からんけど見進めていったら後半にすごい感動が待っていた、のようなパターン。見終わってからじわじわ来ます。

広東語と北京語を聴き比べながら、チャン・ツィー、トニー・レオン+韓国からソン・ヘギョという美しい大スターを美しい映像で拝めるのは嬉しい。

ウォン・カーウァイ作品の特徴である主人公の独白のナレーションも現在。

90年代のウォン・カーウァイ作品の大ファンとしては、また監督の恋愛映画が見たいものです。

 

アマゾンプライムビデオで字幕版を見ました。
↓吹き替え版もありますね。
予告編