「ナッシュビル」(1975年 アメリカ)
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「ナッシュビル」という街が主人公の
まるで漢方薬のような音楽群像劇
今朝の1日1映画は「ナッシュビル」(1975年 アメリカ)を鑑賞。
アメリカで最も保守的な地として知られるテネシー州のナッシュビル。
大統領候補のキャンペーンが行われる中、音楽スタジオではカントリーミュージック界の大スター、ヘブン・ハミルトン(ヘンリー・ギブソン)がレコーディングをしていた。
BBCのレポーター、オパール(ジェラルディン・チャップリン)はヘブンのスタジオに潜り込むが、追い出されてしまい…。
多くの傑作を作り上げてきた名匠ロバート・アルトマンが1975年に発表した群像劇ドラマ。
名匠大統領候補の選挙キャンペーンのためにカントリー&ウエスタンのメッカ、ナッシュビルに集まったミュージシャンたち総勢24人が、夢や欲望に翻弄されながら生きる姿が小さなエピソードによって次々と描かれます。
7月4日にロバート・アルトマン監督の「ロング・グッドバイ」を見て、あ、私の好きなテイストだと感じていたので、同監督のこの作品も楽しみに見ました。
2時間40分もあるこの映画。
見始めてしばらくは、登場人物のとりとめのない会話が続き、誰が誰だかわからない感じもあり、むむむ…? という感じなんですが、だんだんその登場人物同士が数珠つなぎのようにつながっていき、状況が分かってからは、じわじわと面白くなってくるという。
まるで漢方薬のような効き目。
カントリー音楽のライブシーンが1時間以上あり、その歌詞の内容も登場人物の人生や生活を表現しています。
そして、ラスト10分でクライマックスかっていうくらいの盛り上がりが。
明確な主人公はいないし、ダラダラ続く感じがあるので、分かりにくい映画ではあります。
ですが、「ナッシュビル」という街を主人公として、詳細エピソードで人々の私的背景を描き、ベトナム戦争後の保守化するアメリカ国家を選挙戦を通して俯瞰的背景として描き、感情を表現する「音楽」と「皮肉」で味付けしてまとめ上げてある、という見方をすると、グッと心に刺さるんですよね。
見終わったあともじわじわその効き目が続いています。
飲んだ後しばらくぽかぽかする葛根湯のように。
そして人生つづく。
まさにこの一言に象徴される映画です。
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