「叫びとささやき」(1973年 スウェーデン)
3姉妹の感情を読み取る。
今朝は映像文化ライブラリーで開催中の、黒澤明、フェデリコ・フェリーニとならび「20世紀最大の巨匠」と称されるイングマール・ベルイマン監督の特集上映で「叫びとささやき」(1973年 スウェーデン)を見てきました。
第40回アカデミー賞撮影賞受賞作品。
19世紀末の3人姉妹とメイドの愛と孤独。生と性の断片を強烈な赤と白のイメージで表現してある芸術的な作品です(監督曰く、赤は人間の「膜」など内面性を表現したとのこと)。
決して分かりやすい作品ではないんですが、3姉妹は生きていく上でのそれぞれの「欲」が満たされない状況にあり、3姉妹が発する心の内面を露わにするような「叫び」や「ささやき」の点を線にしていく感じ。病気の次女を唯一母親のように見守るメイドの存在が救い。
個人的には「東京物語」(1953年小津安二郎監督)のような作品だとも思いました。実の子より赤の他人が一番気持ちに寄り添うことができる。
人の感情は当人じゃないと分からないですが、その感情に寄り添える人になりたいと、改めて思いました。