カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

「叫びとささやき」(1973年 スウェーデン)

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By Ingmar Bergman Foundation, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=25080115


3姉妹の感情を読み取る。

今朝は映像文化ライブラリーで開催中の、黒澤明フェデリコ・フェリーニとならび「20世紀最大の巨匠」と称されるイングマール・ベルイマン監督の特集上映で「叫びとささやき」(1973年 スウェーデン)を見てきました。

第40回アカデミー賞撮影賞受賞作品。

19世紀末の3人姉妹とメイドの愛と孤独。生と性の断片を強烈な赤と白のイメージで表現してある芸術的な作品です(監督曰く、赤は人間の「膜」など内面性を表現したとのこと)。

決して分かりやすい作品ではないんですが、3姉妹は生きていく上でのそれぞれの「欲」が満たされない状況にあり、3姉妹が発する心の内面を露わにするような「叫び」や「ささやき」の点を線にしていく感じ。病気の次女を唯一母親のように見守るメイドの存在が救い。

個人的には「東京物語」(1953年小津安二郎監督)のような作品だとも思いました。実の子より赤の他人が一番気持ちに寄り添うことができる。

キリスト教的にみれば、メイドは「ピエタ」的な存在とも。

人の感情は当人じゃないと分からないですが、その感情に寄り添える人になりたいと、改めて思いました。

アマゾンプライムビデオにもあります。
予告編