カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『第五福竜丸』(1959年 日本)

水爆実験の被害事件を新藤兼人監督が映画化

今朝の1日1映画は『第五福竜丸』(1959年 日本)を映像文化ライブラリーの新藤兼人特集で鑑賞。

1954年、アメリカ合衆国ビキニ環礁で行った水素爆弾実験により、多量の放射性降下物(死の灰)を浴びた、乗組員23名の遠洋マグロ漁船。

その被害事件をドキュメンタリータッチで描いた、宇野重吉乙羽信子主演の新藤兼人監督作品です。

5年前に東京・夢の島に展示してある第五福竜丸の現物の船を見に行って、木造のそんなに大きくない作りの船から当時の模様を想像していたんですが、この映画は事件から5年後には映画化されていて、当時の時代背景や様子がよく分かる内容になっています。

前半は、漁船が家族に見送られながら出航。

船室での漁師仲間たちの和気あいあいとした姿や、本当の漁の映像とのモンタージュで繋いだマグロ漁の様子などが林光さんの音楽に乗ってまるでミュージカルのように楽しそうに繰り広げられます。

中盤、水爆実験の死の灰を浴びるところから、船員の体調が悪くなり…。

実話で国家間のデリケートな内容なので、映画としての脚色はそこまでできないと思われ、加害者を責めるようなセリフはなく、家族の悲しい話としてまとめてある感じです。

でも新藤兼人監督の平和に対する思いは強く、合唱「原爆を許すまじ」、放たれる平和の象徴・鳩なども登場。

核兵器の恐ろしさを映画を通して訴えている内容でした。

会場には、映像文化ライブラリー40周年記念のポスター展も。

1990年代のポスターはデザインがオシャレですね。

 

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