カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『死亡遊戯』(1978年 香港・アメリカ合作)

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ブルース・リーやスタントマンの高速カンフーとともに
アクション映画としての要素を楽しむ

今朝の1日1映画は『死亡遊戯』(1978年 香港・アメリカ合作)を鑑賞。

世界的アクションスターのビリーは、ドクター・ランド率いる国際的犯罪シンジケートから終身契約を迫られる。

脅迫にも屈せず頑なに契約を拒否するビリーに業を煮やしたランドは、ついにビリーの暗殺を命じるが……。

リーの監督・主演で1972年に撮影開始されたが、ハリウッドとの合作「燃えよドラゴン」撮影のために中断され、リーの急死により未完。

その後、「燃えよドラゴン」のロバート・クローズ監督らによって追加撮影が行われ、1978年に公開された作品です。

いやー、何も文句のつけようがないブルース・リーのアクション。

ワイヤーアクションなしでものすごいスピードで繰り広げるカンフー、その間で垣間見せるはにかむような笑顔。

この「強さ」と「可愛さ」のギャップに、愛されるわけが分かります。

アクションについてはあらゆる方々が語りつくしているのと、詳しくないのとでそこまで書けないですが、素人目で見ても特撮抜きでここまでできる人っていない気がします。

映画としてどうなのかを見てみると、ストーリーは「悪い奴らを倒せ!」と極めてシンプル。

撮影途中にブルース・リー本人が亡くなってしまったため、そこをうまくクリアするために工夫を凝らしているところが逆にシナリオに変化が出て面白くなっています。

半分ぐらいのシーンでユン・ピョウなどが代役のスタントとして入っているんですが、アップのカットは過去のリー本人映像を使っているシーンが多く、見事にコラージュ映画になっている。

葬儀のシーンが出てくるんですが、そこもリアルに後取りしたそうですね。

映画の構成としては、ラストが途中で終わってる感はあります。。

ただ、本人がもう亡くなっているのでこれ以上の話の展開は持てないんだろうなーという気も。

その分オープニング&エンディングで過去作品のダイジェスト映像のようなものを見せ、ブルース・リーよ永遠に…的な編集になっている気もします。

撮影監督は、先日見た『東海道四谷怪談』の撮影監督で、のちに香港映画界で活躍した日本人の西本正で、やはり画的に見せるんですよねぇ。

格子越し、車の窓越し、椅子越し、鏡越しと、やはりカメラの前などに何かを挟むシーンが多く、画面にも変化が。

リーの演じるビリーはスターの役なので、鏡と向き合うシーンを多用されていて、自己の内面を映すという役割もしています。

アクションにおいてはやはり、そのアクションによって破壊される装置や小道具の役割の大きさを改めて実感。

ガラス窓、缶、箱、木のベンチ、クライマックスには火や街灯のネオンと、アクションによって壊されるものがアクションをさらに派手に演出します。

建物の下から上へ、一人ずつ敵を倒しながら登っていく様は、まさにステージをクリアしていくファイティングゲームのよう。

ラストの倒し方もまさにハリウッド映画の黄金パターンで、キリスト教的世界観も垣間見えます。

今の映画の原点ともいえるアクション映画には、ブルース・リーの素晴らしいパフォーマンスだけでなく、その演技を盛り立てるあらゆる要素が詰め込まれていて勉強になります。

↓予告編

 
 

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