カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

「ポカホンタス」(1995年 アメリカ)

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By https://www.flickr.com, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=3828836

 

実在した先住民の女性をモデルに描いた、ミュージカルアニメ。

今朝の1日1映画は、「ポカホンタス」(1995年 アメリカ)を鑑賞。

アメリ先住民族の娘とイギリス人探検家の運命的な恋を、ミュージカル・タッチで描いたディズニーの長編アニメ。

1607年、英国から開拓隊を乗せた船が、新大陸アメリカヴァージニアを目がけて出航

キャプテンはジョン・スミス。

金鉱を掘り当て、一攫千金を夢見ている。

目的地には、先住民のパウアタン族が平和に暮らしていた。

首長の娘、ポカホンタスと出逢ったジョンは、通じるはずのない言葉を心で理解し名乗り合う。

運命の出逢いに一瞬にして恋に落ちる二人だったが、互いが敵同士となる戦いが迫っていた…。

いわゆる名作「アラジン」をひな台としたラブストーリー。

男性主人公は「金欲」のためにやってきますが、自然と共生しながら暮す心の綺麗な女性に出会うことによって浄化。

かといってワンパターンでもなく、ストーリーは一筋縄ではいかない感じにひねってあります。

後の「アバター」の世界観ですね。

ポカホンタスは、実在したネイティブアメリカン・ポウハタン族の女性(1595年頃 - 1617年)。

日本だと、豊臣秀吉が没し、徳川家康江戸幕府を開いた頃に実在した女性です。

時代・民族風俗考証をしたインディアン各団体から、史実とは違うと大論争になっており、確かに出て来る単語が差別的であったり、容姿が黒人風であったりと気になる点はあります…。

異人種間の対立の象徴として犬とアライグマをキャラクターとして立てて、それらの行動を人間に例えて説明するのは面白いと思いました。

全編に渡って繰り広げられるミュージカルシーンは聞き応えあるので、ミュージカル好きな人におすすめの1本です。

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「48時間」(1982年 アメリカ)

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痛快アクションにちりばめられた
アメリカ社会の構造。

今朝の1日1映画は「48時間」(1982年 アメリカ)を鑑賞。

野外労働中の囚人が、仲間の助けを得て脱走した。

犯人に相棒を殺された刑事ジャックは、彼らとつながりのある、服役中の黒人レジーに捜査協力を求める。

48時間の仮釈放という条件で、二人は凶悪犯の追跡に当たるが……。

ニック・ノルティエディ・マーフィの凸凹コンビによるやりとりが面白いアクション・コメディーです。

事件の展開やアクションは中くらいの規模で、大爆破な派手なものはないです。

その代わり、エディ・マーフィがよーしゃべるしゃべる!

熱血白人刑事とチャラっとした黒人囚人による漫才のような掛け合い。

会話劇の面白さが詰まっています。

面白い部分をクローズアップされがちですが、個人的には、ストーリー展開よりも、白人と黒人の差というのが物語の中にちりばめられていることに注目。

出て来るバーにしても白人が集うカントリーバー、黒人が集うポップスバーの差とか、白人と黒人で車に対する考え方が違うことであるとか、白人刑事の上司が黒人であるとか。

48時間だけ仮釈放されている時に発する黒人囚人のセリフに、黒人のアメリカ社会での現状や不満について皮肉っぽく代弁しているような部分があるんですよね。

先住民も出て来るし、舞台であるサンフランシスコは移民の受け入れをしてきた歴史からアジア人が多い街ということもあり、中華街で事件が展開するのも人種のるつぼだということを気づかされます。

面白さの裏にある、アメリカ社会の構造を気づかさせてくれる1本です。

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「ミート・ザ・ペアレンツ」(2000年 アメリカ)

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By May be found at the following website: http://www.impawards.com/2000/meet_the_parents_ver2.html, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=8801307


猫ちゃんが大活躍のヒットコメディー!

今朝の1日1映画は「ミート・ザ・ペアレンツ」(2000年 アメリカ)を鑑賞。

彼女との結婚を認めてもらうため、頑固者の父親に気に入られようと奮闘する姿を描いたコメディー。

ロバート・デ・ニーロが頑固な父親役で、ベン・スティラーが娘の彼氏役という、ちょっと意外な感じの取り合わせです。

ロバート・デ・ニーロはこの映画で出演・製作として、ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) にノミネート。

これまで犯罪系映画のキレ者役やヒューマンドラマでの味のある演技が多かったロバート・デ・ニーロが、コメディ映画で一風変わった父親役で出ていて、演技の幅をさらに広げた作品でもあります。

シリーズ化もされていて、「ミート・ザ・ペアレンツ2」はコメディ映画では、なんと世界で最高の興行収入額を記録!

「ミート・ザ・ペアレンツ3」まで作られている人気シリーズなんですね。

確かに、最初の状況設定5分の描き方がナチュラルで、すぐ映画の世界に入り込め、ぐっとつかまれました。

コメディもの要素満載で、設定も「あるある」で、父親として娘えを心配する姿や、男性ナースとして誇りを持って生きている主人公の姿にすごく共感できます。
これ、いろいろ面白いポイントあるんですけど、やっぱり猫ちゃんの大活躍に尽きます!

ジンクスという役名で、ブルーの瞳を持つヒマラヤン。

頑固親父役のロバート・デ・ニーロが溺愛している猫として登場します。

猫がお話の中心といってもいいくらい全編に渡ってでてきて、しかも演技力もバッチリ!

ぜひ猫好きにはおすすめしたい映画です。

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「ミスティック・リバー」(2003年 アメリカ)

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By IMP Awards / 2003 Movie Poster Gallery / Mystic River Poster (#1 of 2), Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=19946221

「不思議だな、人生は何気ない選択で変わる。」(映画より)

今朝の1日1映画は「ミスティック・リバー」(2003年 アメリカ)を鑑賞。

ボストンで幼なじみの3人の少年のうち、ひとりが連れ去られ、監禁し陵辱される。

3人は疎遠になっていたが、25年後、彼らは殺人事件を契機に再会する。

ひとりは被害者の父、ひとりは容疑者、ひとりは刑事として…。

サスペンス・タッチの人間ドラマですが、のめり込んで見てしまいました。

しかし、いい映画だったわ~ではなく、見たくない社会の縮図を見せつけられたような気持ちになります。

監督作に外れなしといわれるクリント・イーストウッド監督による作品。

感情をあおる音楽や無駄なカットを省き、シナリオに沿った最小限のカットの中に高密度な演出を入れる作り方で知られています。

ミステリーで登場人物もまあまあいるのですが、たまに陥る「この人は誰?」「この人とこの人はどういう関係?」っていうわけが分からなくなる状態がそこまでなく分かりやすい。

映画としてここは良かったなと思う点は、

(1)キャラクター設定を追求

衣装(タトゥーも)、車種、車の中の状態(ゴミとか)酒、細かい部分でその登場人物の性格とか暮らしぶり、感情表現、行動パターンをきちんと設計してあり、俳優もその役割をいかんなく発揮しているので、見ていてその行動に「納得感」があります。

(2)本心は「言葉」より「行動」に表れる

人間って、言葉では嘘をついても、行動に現れてしまう生き物。セリフにはならない心の中の思いを、行動や感情表現として演出してあるところが、ぐっと心を捕まれるんですよね。

(3)ことの成り行きを客観的に見る存在の登場人物

ミステリーって、人間の心の闇へと連れていき、スクリーン上の刑事は観客の代わりにその謎を解くためのカギを集めてくれる役割があるんですが、刑事の同僚ホワイティ(俳優ローレンス・フィッシュバーン)がその役割を担っていて、感情うずまく3人の行方を整理してくれています。(先日見た「大統領の陰謀」の新聞社主幹みたいな役割)。

後半になっていくにつれて、物語が回転していき、「信じる者」と「信じられなくなる者」との葛藤が強まり…。

夫がどんなに悪いことをしても(自分に言い聞かすように)夫を支える妻のシーンでは、ちょっと「極妻」の気分が分かる感じもあります。

コンクリートに3人の名前を刻むシーンは、「レナードの朝」の冒頭でベンチに刻んだ名前のシーンと似ているなとか、光と影の演出がが素晴らしいなとか、ほかにもいろいろありますが、このあたりで。

第76回アカデミー賞にて主演男優賞をショーン・ペン助演男優賞ティム・ロビンスが受賞。

昨日見た「トレマーズ」に出てた田舎の兄ちゃんケビン・ベーコンがこの映画ではスタイリッシュな刑事になっています。  

川が流れるように、人生も流れている。いろんなものを沈めながら。

 

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「トレマーズ」(1990年 アメリカ)

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By Universal Pictures - Universal Pictures, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=62887779


知恵と工夫がつまった面白いカルト映画

今朝の1日1映画は「トレマーズ」(1990年 アメリカ)を鑑賞。

ネバダの砂漠地帯にある小さな田舎町に突然出現した未知の生物。

地中を自在に移動する巨大な蛇状モンスターに次々と住民が立ち向かい…。

これは面白いですねー。

いわゆる「パニックもの」で、「食われる前に逃げろ!」という分りやすい内容。

だけど、何でも屋である主人公二人の中年&青年の掛け合いが軽いコメディ仕立てになっていて非常に面白い!

プラス、青年は女性とも出会い、男女二人の行方も描かれます。

「パニックもの」の中に「バディもの」の要素が2つも。

さらに田舎町のあったかい人柄の老若男女14人の住民との濃いつながりにより、みんなで力を合わせて化け物に立ち向かう様子が「チーム劇」でもあります。

逃げ方にも知恵と工夫がいろいろ詰まっていて、棒高跳びで岩をつたい逃げるシーンは、先日オリンピックで棒高跳びを見ただけに面白かったです。

日本では『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』の同時上映として公開されていて、二本立ての添え物としての90分&低予算のB級映画ではあるんですが、B級と言うにはもったいない。

熱心な映画ファンや映画評論家に支持される「カルト映画」としてシリーズ化されるだけのことはありますね。

余談ですが、公開前に放送禁止用語(Fu●kなど)が多く入っていたので、カットし、大人向けから家族向けの[PG-13]で公開しているんですが、Amazonプライムビデオは[R18+]になっています。何か基準があるんでしょうか…。

ホラーだけど、ほっこり楽しめる映画です。

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Amazon.co.jp: トレマーズ (字幕版)を観る | Prime Video

 

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「バットマン」(1989年 アメリカ)

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By http://impawards.com/1989/batman_ver2.html IMP Awards, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=13457564


口元の感情表現を巧みに使った

アメコミヒーロー

今朝の1日1映画は「バットマン」(1989年 アメリカ)を鑑賞。

DCコミックスの誇るスーパー・ヒーローを巨費を投じて映画化した大作。

ゴッサム・シティの闇に跳梁し悪を粉砕するバットマンと犯罪組織の新ボス・ジョーカーとの戦いを描いてあります。

キャラクターの見た目だけは知ってましたが、映画は初見。

アメコミスーパーヒーローということで、分りやすい映画だろうと思ってみたら…。
原作を知らない初心者にはちょっと難しい。。

基本的にアメリカでは知らない人がいないくらい超有名な原作なので、それを前提に作られているんですよね。

分りにくかった部分としては主に2点。
(1)時代設定は現代なのに、19世紀末のような衣装&建築物により、時系列に混乱をきたす。

(2)主軸が主役/悪役/巻き込まれる人、の3つぐらいあり、主人公の視点で語られる映画ではないため、誰が主役か分りにくく、「私はどの人に感情移入して、『映画』という旅を一緒に楽しむのか」が即決できない。

主人公は大富豪で、実は悩みがあって、共感できる悩みではあるんですが、その悩みが映画中盤に分るので、それまではあまり共感できるポイントがないというのもあります。

ただ、ジョーカーのキャラクターは面白く、悪役を笑顔にして、サイコパスな行動の中にもコミカルさを与えているのは、道化師の悲しみがにじみ出ていて面白いですね。

余談ですが、日本人などアジアでは目で、欧米人は口で感情を読み取るそう。

欧米人は目元をサングラスで隠しても平気だけど、マスクをするのをいやがる人が多いのは、口元を隠すと感情が分らなくなるから。

逆に日本人はサングラスをしていると不審がられますが、マスクをすることにそこまで抵抗がないのは、目元で感情を読み取れるから。

顔文字の違いが、それを如実に表しています。

日本 (😊)(T T)(目に表情があります)

欧米 🙂   :‑](横になっていますが、目はいつも点で、口の表情が変わります)

バットマンが目元を隠し、ジョーカーは口元が引きつり笑い顔となって人々を操るのは、欧米人ならではの口元の感情表現方法を巧みに取り入れてあるからなんだろうなと改めて感じます。

バットマン リターンズ」などのシリーズや、ジョーカーの誕生秘話を描いた「ジョーカー」などをまだ見ていないので、その当たりの作品も見てみるとまた違った面白さがありそうです。

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「ひろしま」(1953年 日本)

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日本教職員組合 - http://pds.exblog.jp/pds/1/201008/29/71/f0160671_1852990.jpg, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=14901460による

↑映画の一場面、中央は米原先生役の月丘夢路


市民エキストラ8万人以上の再現力のすごさ。

今日は広島原爆の日ということで、今朝の1日1映画は「ひろしま」(1953年 日本)を鑑賞。

長田新が編纂した文集『原爆の子〜広島の少年少女のうったえ』を八木保太郎が脚色し、関川秀雄が監督した反戦映画。

8万人を超す広島市民がエキストラとして参加し、原爆投下直後の広島を再現しています。

ベルリン国際映画祭で長編劇映画賞を受賞のこの作品。

壮絶です…ほんと。

被爆当時の克明な内容を被爆した親族から聞かされて育ち、被爆瓦が転がる川で遊びながら、平和公園を学区内に持つ学校ということで時間をかけて平和教育を受けたので、原爆はもう知っとるよ、って思ってましたが…。

この映画はそれを裏付けるような詳細なエピソードがこれでもかとうくらい綴られていて、ここまでリアリティーを持った戦争映画はないんじゃないかと感じます。

8万人をこすエキストラもすごいんですが、被爆から7年後に広島市民を集めて再現して撮影している事自体、原爆のトラウマを持つ人もいる中でよく撮影できたなと思うし、映画製作に対する市民の協力体制も今では考えられないですよね。

学校の1クラスの生徒の制服がバラバラっていうのも、逆に撮影のリアルが伝わってきます。

映画としてみると、シーンのつなぎが断片的な部分があり、人物相関が少し掴みづらい部分もあるんですが、そんなことはどうでもいいくらい、ドキュメンタリーかと思うような再現力に驚かされます。

悲惨なシーンが多いですが、白黒というフィルターがかかることにより少し見やすく、死→生、破壊→再生の演出も入っていて、感動も。

ただ、1点残念なのは、セリフがすべて標準語(東京弁)ということ。

子供たちも、江戸っ子言葉で話すんです。

そこがね…広島弁だったら…と。

標準語によって、全国的に分りやすい映画にはなっているんでいいですが。

(余談ですが、学校で生徒達が手を挙げるシーンで、男の子は手のひらを閉じて「グー」で挙げてるのが韓国の学生みたいだなと思いました。当時は日本でも「グー」で挙げていたのかな?)

日教組プロによる製作で、反戦色が強いということで公開当時は大手の配給会社から拒否されて自主上映という形を取ってきた作品ですが、最近デジタル処理されてから、たくさんの配信サービスで配信されています。

原爆や広島をテーマに扱った昔の映画って、意外と配信されていないんです。

DVD化されてない作品もあるし、映像文化ライブラリーで見るしかない感じ。そういう意味でも貴重ですね。

この作品と同じ原作の新藤兼人監督「原爆の子」('52)もいつか見てみたいです(映像文化ライブラリー元館長の佐伯一幸さんや、私の叔父が小学生の時に出演しています)。

↓予告編

 

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