カトリーヌの「朝1日1映画」

朝の時間を有意義に♪

『ブラック・クランズマン』(2018年 アメリカ)

By https://www.imdb.com/title/tt7349662/, Fair use, Link

スパイク・リー監督が実話を元に描く
エンタテインメント+集団の狂気。

今朝の1日1映画は「ブラック・クランズマン」(2018年 アメリカ)を鑑賞。

黒人刑事が白人至上主義団体「KKKクー・クラックス・クラン)」潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を、「マルコムX」のスパイク・リー監督が映画化。

1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)。

ロンは白人になりすまし、KKKのメンバー募集に電話で応募、白人刑事フリップ(アダム・ドライバー)を替え玉として潜入捜査させる。

電話はロン、潜入はフリップと2人で1人の人物を演じながら捜査を進めるが…。

第71回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した話題作です。

公開当時、劇場に観に行って、面白かった記憶があるんですが、再度鑑賞。

やっぱりエネルギーがすごいですね、スパイク・リー監督の。

人種差別に関する演説シーンや実際のドキュメンタリー映像等を入れ込み、ストレートに鑑賞者に訴えかける方法は非常に力強いです。

かつ、娯楽作品として序盤からだんだんうねりと勢いを持って終盤に向けて見せ場を作るシナリオ&画作りもすごくて。

刑事2人が替え玉や潜入という形で逆の立場を演じ、相手をだます行為をする時に生ずる個人としての葛藤。

それに「白人たち側からの目線」「黒人やユダヤ人たち側からの目線」双方による社会に対しての葛藤が加わり、それらが集約され熱量を帯びてフィナーレへ。

力の方向性として、個人が感じる違和感→集団の持つパワー→集団がもたらす“狂気”までをも描いてある。

だからこそ考えさせられるんだと思います。

技術的に印象的だったのは「斜め構図」と「ディゾルブ」。

白人のふりをしてKKKのトップと電話で話すロンのシーンで斜め構図が使われています。

実は正体を偽ってるんですよ、というロンの内心落ち着かないドキドキした心情を表現されていて効果的です。

「ディゾルブ」とは映像をつなぐ場面転換の技法。

映像が次の映像に溶け込んでいくように切り替わっていきます。

実際の極右集団のデモで亡くなった女性の写真が、救難信号を意味する逆さの星条旗に溶けていく。

この問題が我々が生きているこの現代にまだ続いていることを意味しています。

映画だけど身近な問題として感じることができる。

スパイク・リー監督の映画からまた1つアメリカの歴史から現状、そして集団のもたらす力や狂気について学ばせてもらいました。

↓予告編

 
 

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